この公演は最新作「TRUE IMPULSE」を中心に、懐かしいナンバーも盛り込んだ充実のセットリストで展開。櫻澤泰徳（Dr）のバスドラムのドラムヘッドが破けるトラブルも発生したが、4人は手練のプレイヤーらしく機転を利かせたパフォーマンスでオーディエンスを沸かせた。
高野哲（Vo, G）の「オウッ！」という挨拶から始まったライブは、勢いにあふれた「衝動」を皮切りに、序盤は「Super Charger Star」「Day by Day」と骨太なロックチューンが矢継ぎ早に投下されていく。高野は「おひさしブリッツ」と駄洒落を交えながら、「赤坂BLITZは1年半ぶりとかですかね。再結成とか誰にも言われてないのにやりだしたときくらいです。1年半前はカケラすらなかった曲がずらっと並んでます」と観客の期待を煽った。
その後も、高野と岡本竜治（G）による息の合ったギターセッションが光った「STOP!」、豪快で陽気なアンサンブルがフロアを揺らす「笑う月」と、新旧の楽曲が交互に披露されていく。「残響」の前に高野は「結成直後に作った曲です。あてもなく走り出す、そんな1曲だった気もします」と述べ、どこか焦燥感のあるバンドサウンドを奏でた。
櫻澤と大西啓之（B）による破壊力のあるリズムを軸に曲が展開した「add9 suicide～3days in a well」、黄色い照明が彩りを添えた「ひまわり」などを披露したブロックを経て、高野は「楽しんでるかーい？ 愛し合ってるかーい？ ではいくつか愛の歌を……」とラブソングを続けて歌い上げた。それまでの猛るようなバンドサウンドから一転し、大人の色気を全開にした「Dancing in the chains」や「Medicine Man」、穏やかなミディアムバラード「トロイメライ」とZIGZO流のラブソングが連続で届けられフロアを艶めかせた。
MCでは高野が2020年に開催が決定した東京オリンピックについて触れ、「2020年にこうやってみんなで集まって、『東京オリンピックよかったですね』って言いたい」と述べたり、9月21日と22日に岐阜・中津川公園内特設ステージで開催される「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013」の出演をアピールしたり、これからのZIGZOについて言及。「今後もZIGZO、ちまちまやっていくんでこれからもよろしく」と挨拶をする。そしてライブも佳境に差し掛かり、終盤に向けて加速していくタイミングで、櫻澤のバスドラのドラムヘッドが破けたことが発覚。スタッフが集まり交換に奮闘する間、高野と岡本は現在起きているハプニングを即興で歌い始める。ムーディなフレーズに乗せて岡本が「BLITZでみんなといい思い出。ドラムの皮が破けて……どないやねん！」と叫べば、高野は「ミスをしたら罰金1万円。今日は櫻さんのお金で飲める！」とトラブルに戸惑うどころか上機嫌。無事ドラムが復旧すると、「お詫びに1曲追加！」とセットリストには組み込まれていない「I am a slider」を披露し、トラブルに臆しないバンドのタフさサービス精神のよさを観客に印象付けた。
朗らかなムードの中で「I'm in Love」が披露され終演と思われたそのとき、高野は「あのーもう1曲やらせてください。次の曲を一緒に作ってくれた佐久間正英さんに捧げたいなって。最後にふさわしい曲じゃないんですけど、ZIGZO初のアンコールだと思って」と「チェルシー」につなげた。解散前最後のシングルとして発表されたこの曲は、“終わり”を匂わせる歌詞が印象的なナンバーだが、高野は歌詞の一部を変え「まだまだ終わりの鐘は鳴らない」と叫ぶ。岡本、大西、櫻澤の3人も楽器を繰る手に力を込め、全身全霊で音を鳴らした。アウトロの音が止むと、フロアにはこの日一番の拍手が響きわたる。そしてメンバーは、ステージの前方に一列に並ぶと手をつなぎフロアに向かって一礼。破顔する4人に向かって、オーディエンスは再び大きな拍手と声援を送った。
ZIGZO「ZIGZO TRUE IMPULSE」
2013年9月8日＠東京都 赤坂BLITZ
01. 衝動
02. Super Charger Star
03. Day by Day
04. STOP!
05. I Cult You
06. ぶらつく天使
07. 笑う月
08. 残響
09. add9 suicide～3days in a well
10. 炎は青く揺れる
11. ひまわり
12. Dancing in the Chains
13. Medicine Man
14. トロイメライ
15. splash!
16. To Get Her
17. WALK
18. everlast
19. BPM365
20. Hello,I Love You
21. I'm in Love
22. チェルシー
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れんか(NUI-IIN) @BeautifulU1004
去年の9月の記事。読み返してたらなんだかすごく悲しくなってこんな時間にチェルシーにとっ捕まった。
ナタリー - ZIGZO、赤坂BLITZで佐久間正英に捧げた“初アンコール” http://t.co/nxSJWupHQD