ライブハウスや野外フェス、ストリートでのライブには慣れている4人だが、今回は初のホールワンマンということで、ひと味違った演出を用意。満員のオーディエンスが埋め尽くした会場を、新しいスタイルのパフォーマンスで惹き付けた。
この日のライブは、ニューヨーク、メンフィス、ニューオリンズを訪問した3月の全米ツアーの模様を紹介する映像からスタート。4人はシンプルな照明の下でアコースティックアレンジを施した楽曲や、ゆっくりとグルーヴを作っていくタイプの新曲「beautiful world」を次々と披露していく。前半でひと際大きな歓声が上がったのは「sailin'」のアコースティックバージョン。Kjの歌声の代わりに芹澤優真(Key)が鍵盤ハーモニカでメロディラインを奏で、柳下武史(G)はスパニッシュギターを爪弾き、又吉優也(B)はベースで、宮原良太(Dr)はカホンで柔らかなグルーヴを生み出す。音数を削ぎ落とし、演奏楽器を変えることで、曲の新しい魅力をオーディエンスに伝えていた。
中盤まではステージ上に設置されていた暖色系の照明のみがメンバーを照らしていたが、ライブの折り返し地点に入ったところで、カラフルなライトが音に合わせて明滅する。「PB」ではダイナミックなバンドアンサンブルとともに、鮮やかなライトがステージを彩り、豪華な演出に大きな拍手がホールいっぱいに響きわたる。かと思えば、芹澤が弾くメインフレーズにあわせて、ほかのメンバーがカウベル、トライアングル、ベルなどさまざまな楽器を手に気ままにセッションを繰り広げる「KOYA」など、普段以上にアットホームな空気がステージから放たれる一幕もあった。
緩急を付けた構成と一切MCを挟まないストイックなスタイルで本編を完走したメンバーだが、アンコールでは一気にリラックスした雰囲気に。「もう1回アメリカツアーやりたい!」「すごく楽しかった!」と怒濤のアメリカツアーを振り返ったり、宮原が「ホールでやるのも最初で最後かもしれませんが、たまにはこういうのもやります」と宣言して会場を沸かせたり、親しみやすいトークで観客を楽しませていた。
なお7月6日に行われる名古屋公演ではセットリストを一新するというSPECIAL OTHERS。どの曲が、どんな演出やアレンジで披露されるのか、足を運ぶ予定の人は楽しみにしておこう。
リンク
- SPECIAL OTHERS OFFICIAL SITE
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
音楽ナタリー @natalie_mu
SPECIAL OTHERS初渋公でアコースティック全開ライブ http://t.co/T2eNyu9d