三月のパンタシア、活動10周年記念ライブでたどった“多彩透明なブルー”の軌跡

1

12

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 3 7
  • 2 シェア

三月のパンタシアが昨日8月16日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)で活動10周年記念ライブ「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」を開催した。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。

大きなサイズで見る(全10件)

私にとっても、君にとっても忘れられない日

みあ

みあ[拡大]

2015年8月16日にオリジナル楽曲「day break」をYouTubeに投稿し、活動をスタートさせた三月のパンタシア。活動10周年を迎えたことを記念して、8月20日には初のベストアルバム「多彩透明なブルーだった」をリリースする。これまでは朗読を挟みながら書き下ろしのオリジナルストーリーに沿ってライブを展開することが多かったが、今回は三月のパンタシア自身が歩んできた10年間の物語を届けるように、ミュージックビデオの映像を用いながらベストアルバムの収録曲を披露した。

みあ

みあ[拡大]

三月のパンタシアはすべての始まりの歌「day break」でアニバーサリーライブを開始。みあ(Vo)はサポートバンド・ばんぱしが奏でるメロディアスなサウンドに乗せて、紗幕に映し出されたMVの映像とともに切ない恋の痛みを歌い上げた。紗幕が落ちると、ブルーの衣装に身を包んだみあの姿があらわになり、メジャーデビュー曲「はじまりの速度」の演奏がスタート。みずみずしいアンサンブルにオーディエンスの温かなハンドクラップが重なり、ライブ序盤から会場にピースフルな空気が広がった。

その後も、みあとオーディエンスば「パステルレイン」「ピンクレモネード」といった楽曲で三月のパンタシアが歩んできた軌跡をたどっていく。みあは「初めて楽曲を投稿してからちょうど10年が経つ日にこうやって君と出会えてることが本当にうれしく思っています。今日は来てくれてありがとうございます! 今日は私にとっても、君にとっても忘れられない日にしましょう!」と観客に呼びかけ、自身の代名詞とも言える楽曲「三月がずっと続けばいい」を楽しげに歌唱した。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。[拡大]

の子(神聖かまってちゃん)の提供曲ではミラーボールが春を彷彿とさせるピンクの光を放ち、胸をくすぐるようなセンチメンタルな鍵盤の音色とギターリフが鳴り響く。みあはドラマ「あのときキスしておけば」オープニングテーマ「幸福なわがまま」であふれ出る愛おしさを優しい歌声で表現したあと、じんが提供したアニメ「魔法科高校の優等生」のオープニングテーマ「101」で疾走感のあるサウンドをバックにアグレッシブに言葉を放った。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。[拡大]

テレビアニメ「カッコウの許嫁」のエンディングテーマ「四角運命」では恋する少女が抱える葛藤や焦燥感がシリアスに歌い上げられる。映画「ハピネス」の主題歌「僕らの幸福論」ではドラマチックなサウンドと情感豊かな歌声にオーディエンスがじっくりと聴き入っていた。その後、みあは1stアルバム「あのときの歌が聴こえる」に収録された初期ナンバーを続けて披露。「星の涙」をたおやかに紡ぎ上げたあと、「群青世界」「フェアリーテイル」で澄み渡るような温かな歌声を響かせた。

光りながら走り続けていきたい

みあ

みあ[拡大]

アニメ「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」のオープニングテーマ「ゴールデンレイ」を高揚感あふれる8分の6拍子のリズムに乗せて歌い上げ、みあは「今回のタイトルにもあるように。この10年間、“多彩透明なブルー”の物語を描いてきました。さわやかなブルー、甘酸っぱいブルー、そして優しいブルー。その中でここからは三月のパンタシアのダークなブルーの物語をお届けしたいと思います。どっぷりと闇に浸かってください」と宣言。狂気に満ちたナンバー「ピアスを飲む」や歪んだ愛情を描いた「スノーノワール」、愛情が人を闇落ちさせるさまを描いた「完璧彼女」をメドレー形式で次々と届けていく。メドレーの最後にはダークな物語を描くきっかけとなった楽曲「ビタースイート」でジャジーなサウンドをバックに悲痛な思いが歌われた。

ここでみあの問いかけにオーディエンスが「好き」か「嫌い」かを叫ぶコーナが設けられ、「三月はー?」「好きだー!」「満員電車はー?」「嫌いだー!」といった声が響き渡る。そして「恋はー?」「嫌いだー!」「君はー?」「好きだー!」」という言葉を経て、みあは「恋はキライだ」で夏の終わりの切ない恋の物語を描いた。その後、彼女は「花に夕景」やホリエアツシ(ストレイテナー)の提供曲「夜光」をエモーショナルに歌い上げてフロアにコールを巻き起こしていく。さらに「青に水底」でその熱気が高まったところに代表曲「青春なんていらないわ」が投下され、会場は大盛り上がりとなった。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。[拡大]

ライブ終盤を迎え、みあはブルーの旗を手に持って「街路、ライトの灯りだけ」を軽やかに届けたあと、ゆったりと観客に語りかけるように「愛の不可思議」を歌う。「醒めないで、青春」ではオーディエンスが一斉にタオルを振り回して会場がひとつになった。三月のパンタシアとファンの物語が詰まったナンバー「ランデヴー」でみあがシンガロングを浴びながら旗を振ると、フロアにカラフルな風船が降り注ぐ。彼女は「この10年間を振り返ってみると、こうやって君と一緒にはしゃぎ合った楽しい記憶ばかり思い出すんだけど、もちろん楽しいことばかりではなくて、理想や憧れに押しつぶされて息苦しくて、いっそ手放したいなと思うこともあったし、あきらめて楽になりたいなって泣いた夜もたくさんあった。それでも物語を紡ぐことをやめなかったのは君がいてくれたからです。君がいたから私は私自身を認めてあげることができたし、それが物語を紡ぐ力になって、君からもらった愛を音楽に変えてここまで歌い続けることができました。本当にありがとうございます」と感謝の思いを述べた。

みあ

みあ[拡大]

みあは「10年というのは1つの節目ではあると思うんだけど、ここから歩みを緩めていくような私たちではありません! これから先も多彩透明なブルーの景色の中を、青春の風景の中を、光りながらずっと走り続けていきたいと思います」とまっすぐに前を見据え、「これから先もまだまだ物語は続いていきます。この曲は、この先も君と物語を紡いでいくための光の曲です」と述べてベストアルバムに収録されている新曲「LuMiNA」を披露。“君”と一緒に未来に向けて進んでいく強い意思を示し、ステージを去っていった。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。

「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」の様子。[拡大]

アンコールを求める声に呼ばれて再び登場したみあは「『day break』では『愛してるって叫んでみても 夢幻の空に溶けて』と歌って、あの頃は『愛してる』と伝えることができなかったけど、君と出会って、去年リリースした『愛の不可思議』では『君のことを、愛しています』って歌えるようになった。君と出会えたことでようやく歌えるようになった気持ちもあるなと思いながら、今日のためにたくさん準備してきました。今日はこの夜を選んでくれてありがとうございます」とフロアを見渡した。最後に披露されたのは、ファンへのメッセージが込められた楽曲「ノンフィクション」。みあはあふれんばかりの愛をこの曲に乗せてオーディエンスに届け、アニバーサリーライブを締めくくった。

なおこの日のライブ音源が今年の冬に配信リリースされることが決定。さらに2作目の長編小説「君の記憶だけない」が10月12日に発売されることも明らかに。また10月に新曲「あまのじゃくヒーロー」が配信リリースされる。

セットリスト

三月のパンタシア「三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 -多彩透明なブルーだった-」2025年8月16日 Zepp Shinjuku(TOKYO)

01. day break
02. はじまりの速度
03. パステルレイン
04. ピンクレモネード
05. 三月がずっと続けばいい
06. 花冷列車
07. 幸福なわがまま
08. 101
09. 四角運命
10. 僕らの幸福論
11. 星の涙
12. 群青世界
13. フェアリーテイル
14. ゴールデンレイ
15. ピアスを飲む
16. スノーノワール
17. 完璧彼女
18. ビタースイート
19. 恋はキライだ
20. 花に夕景
21. 夜光
22. 青に水底
23. 青春なんていらないわ
24. 街路、ライトの灯りだけ
25. 愛の不可思議
26. 醒めないで、青春
27. ランデヴー
28. LuMiNA
<アンコール>
29. ノンフィクション

この記事の画像(全10件)

読者の反応

  • 1

音楽ナタリー @natalie_mu

【ライブレポート】
三月のパンタシア
活動10周年記念ライブでたどった、
“多彩透明なブルー”の軌跡🟦
https://t.co/3vKCmbQEpT

「これからも青春の風景の中を、
光りながら走り続けていきたい」

#三月のパンタシア #多彩透明なブルーだった https://t.co/H7XHXA8gXE

コメントを読む(1件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 三月のパンタシア の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。