Panorama Familyの3rdアルバム「MELLOW SUMMIT」が、10月19日にリリースされる。
このアルバムのジャケットには、東日本大震災で亡くなったPanorama Familyの祖父の写真が使用されている。被災地・宮城県女川町出身のPanorama Familyは、東京で暮らしながら被災地を思う人の複雑な気持ちに寄り添うようなアルバムになったらいいと話しており、そんな思いを込めてこの写真をジャケットにした。
なお、本作はミックスとマスタリングにSHAKKAZOMBIEのTSUTCHIEを起用した意欲作で、客演にはthai kick murphのミヤオヨウと
Panorama Familyコメント
2011年3月11日、僕は人生の転機を迎えたのかもしれない。
この大地震から4日間はTVを見る気にもなれず、音楽を聴く気にもなれず、インターネットで地震と津波と原発と被害状況、家族の生存を探しつづけた。
ほんの数ヶ月前に、脳腫瘍を取り除く大手術に奇跡的に成功した祖父と、僕にロックのCDを初めてくれた陽気な叔父は、今も行方不明のままだ。(※震災から3ヶ月後死亡届を役場に提出し、4ヶ月後に祖父はかなり離れた沖で見つかった。半年後の9月には葬式をした。)
震災後、愛する恋人を、家族を、友人を守るために何ができるか? という自問自答が続き、生きるということには何の意味があるのか? と使い古された陳腐な言葉が頭をめぐる。
女川という被災地で生まれ育ち、今は東京で生活しているが、僕は常に故郷のことを気にして生きている。この表現が正しいのかは分からないが、つまり僕は今「半被災者」という微妙な立場だ。
仲の良い友人や同僚の何気ない一言、カフェで聞こえてくる全くの他人の会話や、ツイッターのタイムラインに、酷く傷つくことがある。
また、自分が安全な東京でのうのうと暮らしていることへの罪悪感、故郷へ何もしてあげられないという焦燥感。
もちろん原発には大反対で、デモにだって参加したけど、反原発のデモに参加する前にオレが故郷にできることはないのか? とも思う。そんな矛盾からくる疲労感。
「半被災者」は、多かれ少なかれ、誰も一度は同じような感情を持ったのではないだろうか。
被災地の人が受けた傷の比にはならないが、僕のような「半被災者」も実はすごく傷ついている。
僕は孫正義みたいにお金持ちじゃないし、ミリオンの額の寄付はできない。だけど、音楽で「半被災者」に寄り添うことはできるかも知れない。このアルバムにはそんな気持ちも込めたつもりだ。
今、ワンピースという海賊漫画が日本だけでなく世界中で人気だが、僕にとって、世界で一番かっこいい船乗りは、ワンピースの海賊たちよりアルバムの表紙の僕の祖父だと思う。
最後に、このアルバムに関わってくれたすべての人に感謝します。そして、家族、恋人、友人、親族、被災地、被災者、反被災者、すべての音楽を愛するみなさんが幸せになるように祈りを。
HOPE.
2011/7/13
gomez
Panorama Family「MELLOW SUMMIT」収録曲
01. MELLOW SUMMIT INTRO
02. MUSIC FROM PNRM
03. Night Tuning
04. 揺/れ/る
05. 874 Original Fit
06. Subliminal Echoes
07. Omatsuri Beat - Feat.ミヤオヨウ(thai kick murph)
08. REVERSE
09. Flat Clat
10. Future XXXL feat. 大久保潤也(アナ)
11. ペンとノート
12. nallow blues
13. 東京ミッドナイトjazzy
14. Vinyle moon light
15. 2つのマイク feat. MUG-ROCK
16. FUTARI
17. MELLOW SUMMIT OUTRO
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音楽ナタリー @natalie_mu
Panorama Family、最新作ジャケットに亡き祖父の写真 http://t.co/H5wHQlj