ゆず11年ぶり弾き語りツアー、ゆずっこと共に原点回帰

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ゆずの全国弾き語りホールツアー「YUZU LIVE CIRCUIT 2010 SUMMER『FUTATABI』」のファイナル公演が、8月16日に東京国際フォーラム・ホールAにて行われた。

開演前に握手を交わす北川悠仁(写真左)と岩沢厚治(写真右)。この日のライブ中は北川が何度も「We are YUZU!」と叫び、岩沢を苦笑いさせていた。

開演前に握手を交わす北川悠仁(写真左)と岩沢厚治(写真右)。この日のライブ中は北川が何度も「We are YUZU!」と叫び、岩沢を苦笑いさせていた。

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ゆずっこで埋め尽くされた東京国際フォーラム・ホールA。それぞれの曲をステージと一体になって全力で楽しんだ。

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「歌を作るときは必ず自分の個人的な思いから作るんですが、それがゆずの歌になり、みんなの歌になり、一緒に分かち合うことで僕たちの歌になる、そうやって繰り返していくことがとてもうれしいです」と語った北川。

「歌を作るときは必ず自分の個人的な思いから作るんですが、それがゆずの歌になり、みんなの歌になり、一緒に分かち合うことで僕たちの歌になる、そうやって繰り返していくことがとてもうれしいです」と語った北川。

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「恋の歌謡日」ではオリジナルと同様「久しぶりに会おうよ」と渋い声で“ムーチョ小岩沢”のセリフを語った岩沢。会場からは笑い声と悲鳴が起こった。

「恋の歌謡日」ではオリジナルと同様「久しぶりに会おうよ」と渋い声で“ムーチョ小岩沢”のセリフを語った岩沢。会場からは笑い声と悲鳴が起こった。

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今年春の全国アリーナツアー「FURUSATO」を経て、原点回帰を目指して2人の弾き語りのみで行われたツアー「FUTATABI」。弾き語りツアーは1999年の「サクラサク」ツアー以来ということもあり、当日の会場は期待で目を輝かせるゆずっこで超満員となった。

開演前のステージには2人が使うアコースティックギターが整然と並べられ、ライブへの期待を煽る。アナウンスと同時に恒例の「ラジオ体操第1」が始まり、全員が笑顔で体操。そして北川悠仁、岩沢厚治の2人が登場すると、場内は大歓声と拍手に包まれた。

お互い向かい合ってお辞儀をし、がっちり握手をした2人が最初に演奏し始めたのは「サヨナラバス」。曲が始まると同時に場内の照明も再び点灯し、ステージ上との一体感を高める。北川の「一緒に歌おう!」という声に応え、サビでは全員が大合唱。そして2曲目、岩沢が指を3本立てて観客にアピールして「3カウント」。岩沢の力強く美しい高音がホールにのびのびと響いていった。

最初のMCで北川は「僕、今日ちょっとやってみたいことがあるんですけど……」と客席に話し始める。14日のX JAPANのライブに行っていたという彼は「ライブの最中にメンバーが『We are X!』って叫んで、それでみんなが腕でX印を作るんです。そうすると『ああ、俺もXの一員だ』って思えるんで、あのうみんなにも『We are YUZU!』って叫んでもらっていいですか?」と懇願。笑いながらも客席全員が北川の願いに応え、ゆずの形にちなんで腕で○印を作りながら「We are YUZU!」を唱和した。岩沢は「数々のロックバンドが『We are~』って言ってきたと思うんですけど、まーゆずは似合わないですね(笑)」と苦笑しつつも、独特な一体感を楽しんでいる様子だった。

「今日は2人だけで演奏していくんで、みんなの手拍子や歌声、笑顔で支えてもらって『We are YUZU!』になっていければと思います。そして盛り上げたところで何なんですが、優しい曲を歌います(笑)」という北川の言葉に続き「手紙」。北川のピアニカの音と岩沢が奏でる柔らかいアルペジオが、ゆずにしか作れないハーモニーを生み出す。間奏の手紙の朗読では北川が「今日来られなかった人、チケットが取れなかった人に『ゆずは元気だったよ、よろしくと言っていたよ』と伝えてください」と語り、大きな拍手を浴びた。

「次の曲は最終日ということで、ツアーでやってこなかった曲をお届けします!」という紹介で始まったのは「恋の歌謡日」。まさか弾き語りでこの曲を披露するとは思わなかったゆずっこたちは、イントロと同時に驚きの声を上げる。アコギでも原曲どおりに華麗なトレモログリッサンドを披露した岩沢、間奏の語りで「女装しないでこのテンションは恥ずかしいわ!(笑)」と叫んだ北川に大歓声が沸き起こった。

北川が初めて作ったという曲を岩沢のバンジョーを交えたニューアレンジで披露した「種」、スタッフやマネージャー、さらに所属レーベルの重役陣をステージに上げて振り付けを見せた「シュミのハバ」、2人の歌声が美しく重なり合う「物語」と、さまざまな時代の楽曲が続々と演奏される。路上時代からの名曲「いつか」は、初期の弾き語りアレンジとはまた違うアレンジで、会場中にじっくりとしみ渡っていった。

ライブ中盤には2人を模した小さな人形2体と“トントンくん”と名付けられた手動アナログサンプラーマシンが登場。「この人形はダンサーです!」と北川が説明し、手元のスイッチを叩くと人形が軽やかに腕を振り、トントンくんに連動したさまざまな小道具が音を鳴らす。このセットで披露されたのは「おでかけサンバ」と「月曜日の週末」。「おでかけサンバ」ではいつもどおりのコール&レスポンスが起こり、「月曜日の週末」では岩沢の高速ストロークに乗って全員が手拍子。華やかなサウンドに包まれた大盛り上がりのひとときとなった。

続く「贈る詩」では「今日お誕生日の方いらっしゃいますか?」と北川が呼びかける。手を挙げた客席後方のゆずっこに向かって、北川はいきなりステージを飛び降りダッシュ。仰天する観客の中で「Happy Birthday to You」を歌い、誕生日を祝福した。アットホームなサプライズ企画のあと、北川がステージに戻るといよいよ「夏色」がスタート。北川はブブゼラを吹き鳴らしてイントロを盛り上げ、2人だけのステージとは思えないほどのテンションに客席を導いていった。

本編もいよいよ残りわずか。北川は「僕たちもみんなと同じように人生でいろいろなことが起こります。喜びやうれしさ、悲しみ、怒り、そういうものを全部歌にしてみんなに届け続けます」と客席に向けて挨拶した。最後を飾ったのは「逢いたい」と「虹」。昨年のゆずを代表する壮大なナンバー2曲を、2人だけのシンプルかつ力強い演奏で会場に届けた。

アンコール代わりにゆずっこたちが歌った「贈る詩」に応えて再びステージに登場した2人。きちんと歌のキリのいいところで「アンコールありがとうございます!」と挨拶し、アコギを抱えてステージの前方へ進み出る。驚く客席に向け、マイクを通さずに改めて「みなさんこんばんは、ゆずです!」と叫び、アンコール1曲目「栄光の架橋」を奏で始めた。繊細なイントロから力強さを増していく生のギターの音色、会場中に届けようと声を振り絞る2人のボーカル。ステージから直接届けられる音に、場内は静まり返ってじっくりと聴き入る。曲が終わるとホールにはこの日一番大きな拍手が鳴り響いた。

夏にぴったりな「センチメンタル」に続き、岩沢が「蛍の光」を弾き始めると場内から「ええー!?」という声が起こる。「次の曲で最後になります。今回は身も心も原点回帰して、初めて行く場所にも行けて、本当に素晴らしいツアーでした」と北川が挨拶して「シュビドゥバー」が始まった。ゆずっこたちの大合唱に支えられたアンコール最後の曲が終わると、さらに「今日はツアーの終わりの日でもありますが、始まりの日にもしたいです。なのでできたばかりの新曲をお送りします!」と北川が叫び、8月25日リリースのシングル「慈愛への旅路」を披露した。

ステージ後方の幕が上がるとそこにはバックバンドのメンバーが。オーディエンスが狂喜する中で演奏された新曲は、新しい道へ向かう決意を描いた前向きなミディアムチューン。2人の歌う伸びやかなメロディラインは耳に心地良く響く。ツアーファイナルのさみしさをポジティブなナンバーで打ち消した2人は客席に「新曲どうだった?」「あー、緊張したあ!(笑)」と語りかける。さらに「ツアー回りながらアルバム作ってます。たぶん来年の春には出せると思います。そして来年の春にはツアーもやります!」と発表。原点回帰を経てますますパワーアップすることを感じさせる、最高の笑顔でツアーを締めくくった。

YUZU LIVE CIRCUIT 2010 SUMMER「FUTATABI」
2010年8月16日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. サヨナラバス
02. 3カウント
03. 手紙
04. 恋の歌謡日
05. 種
06. シュミのハバ
07. 物語
08. いつか
09. 飛べない鳥
10. シシカバブー
11. おでかけサンバ
12. 月曜日の週末
13. 贈る詩
14. 夏色
15. 逢いたい
16. 虹

EN-01. 栄光の架橋
EN-02. センチメンタル
EN-03. シュビドゥバー
EN-04. 慈愛への旅路

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ゆず11年ぶり弾き語りツアー、ゆずっこと共に原点回帰 http://natalie.mu/music/news/36452

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