ゲスの極み乙女。復活！達磨林檎に右目書き入れ新たな門出

ゲスの極み乙女。が昨日5月10日にニューアルバム「達磨林檎」をリリース。今作のリリース記念ライブを発売日当日に東京・Zepp Tokyoにて開催した。

2016年12月より活動を自粛していたゲスの極み乙女。は、この日のライブで復帰後初めてファンの前に登場。バンドの約5カ月ぶりのステージ、さらには「達磨林檎」購入者の中から抽選で当たった人のみが参加できる無料ライブとあって、会場には多くのファンが駆け付けた。

開演時刻を過ぎ「達磨林檎」収録曲のミュージックビデオの上映が終わると、メンバーが続々とステージへ。ほな・いこか（Dr）が刻むビートに休日課長（B）、ちゃんMARI（Key）、川谷絵音（Vo, G）が音を重ねていく。フロアのボルテージが高まったところで川谷が「行くぞー！」と声を上げ、メンバーと共に「パラレルスペック」を演奏。バンドが「私以外私じゃないの」「星降る夜に花束を」「サイデンティティ」と楽曲をたたみ掛けたあと、ちゃんMARIは「コポゥ！」というゲスの極み乙女。ファンにはおなじみの挨拶で観客とのコミュニケーションを楽しむ。フロアから「おかえりー！」と声が飛ぶと、彼女は「ただいまー！」と満面の笑みで手を振った。

MCで川谷は、活動休止からこのライブまでの間にちゃんMARIがロングヘアからボブヘアに、いこかがボブヘアからロングヘアにスタイルチェンジしたことについて触れる。「2人が入れ替わったみたい。俺は、ちゃんMARIは前のほうがいいと思うよ」とちゃんMARIに髪を伸ばすことを促すなど、とりとめのないトークで会場を笑わせた。

「達磨林檎」の収録曲「心地艶やかに」ではちゃんMARIが小ぶりなアコースティックギターを、休日課長がシンセサイザーを弾く場面も。同じく「達磨林檎」の収録曲である「某東京」では川谷が急き立てるようなスポークンワードやシャウトでフロアを圧倒していた。クラシカルなピアノサウンドとダンスビートが絡み合う「シアワセ林檎」では、いこかがドラムセットを離れ、川谷と共に歌声を披露。その間のドラムは、川谷が所属しているバンドindigo la Endの佐藤栄太郎が代わりに叩いた。

8曲を歌い終えた川谷は「『達磨林檎』聴いていただけましたか？ さっき買ったんだからまだ聴いてないですよね（笑）」と言い、アルバムを聴いた上でライブで楽しんでほしいという思いからこの日のライブで披露する「達磨林檎」の収録曲はすべて演奏済みだと明かす。そんな中いこかは「そろそろ“ゲスの4か条”を聞きたいんじゃないの？」とお決まりのセリフでフロアを沸かせ、たくましいビートを刻んで「ホワイトワルツ」へと導いた。観客と共に「ゲスの4か条」を唱えたゲスの極み乙女。は、休日課長が扇動する「ドレスを」「脱げ」というコール＆レスポンスから「ドレスを脱げ」を披露。4人の鳴らすサウンドがせめぎ合うスリリングな演奏に乗せ、盛大なシンガロングを巻き起こした。バンドが「ドレスを脱げ」を終えてすぐに「jajaumasan」をプレイし、フロアの盛り上がりがピークを迎える中、最後にプレイしたのは「キラーボール」。ミラーボールの光が会場中に広がり、ダンサブルなナンバーに乗って観客たちは大いに踊った。

アンコールでは川谷が「いつも見る人の顔もあってうれしいです」と安堵の表情を浮かべ、「達磨林檎」の制作やリリースが延期になってしまったことを振り返る。「心地艶やかに」のMVがキスシーンだらけの過激な内容であったことについても触れ、「週何回キスするの？」とセクハラまがいな質問をいこかに吹っかけると、彼女は「何言ってんの！」と赤面していた。またラストを飾る「ゲストーリー」は20声を重ねたコーラスワークをはじめ、さまざまなこだわりのアレンジを取り入れた1曲であることや「DARUMASAN」は力を抜いて“遊べた”1曲になったことなど、アルバムの聴きどころも語った。

さらに川谷は休日課長の新プロジェクトDADARAYの楽曲制作に追われていたため、ゲスの極み乙女。の新曲はまだできていないことを明かす。その後、彼がちゃんMARIに「どう？」と話を振ると、彼女は「楽しい！」と弾けんばかりの笑顔を見せた。そんな和やかなムードの中始まったアンコールで、彼らは「ルミリー」「ユレルカレル」「crying march」3曲を披露。すべての演目を終えた4人は新たな門出を祝し、アーティストビジュアルに登場する“達磨林檎”に右目を書き入れた。

ゲスの極み乙女。は8月1日より全国ワンマンツアー「丸三角ゲス」を開催。このツアーで彼らは9月3日の東京・日比谷野外大音楽堂まで全9公演を行う。ゲスの極み乙女。のオフィシャルサイトではチケットの先行予約を受け付けている。なお「達磨林檎」は2日連続でオリコンデイリーアルバムランキングで1位を獲得した。