Shout it Out、赤色のグリッター＆climbgrowと熱演した同世代の宴

Shout it Outが2月15日に東京・下北沢SHELTERでライブイベント「Shout it Out ミニアルバム『Teenage』リリース記念イベント『僕たちが唄う今のこと～若者共宴編～』」を開催した。

これは彼らが2015年12月に発売したミニアルバム「Teenage」のリリース記念イベントとして行ったもの。ゲストとして彼らと兼ねてより親交が深く、同世代である赤色のグリッターとclimbgrowが出演し、満員の会場を盛り上げた。

トップバッターの赤色のグリッターは、佐藤リョウスケ（Vo, G）と渡辺明日香（B, Cho）による巧みなコーラスワークでオーディエンスを魅了。ときにメンバー4人で向かい合い、激しい演奏を繰り出していく。その後クラカズヒデユキ（Dr, Cho）がリズミカルにドラムを叩くと、「海より」の歌詞の一部を引用したお決まりの盆踊り風コール＆レスポンスへ。彼らはそのまま「海より」を演奏し、場内に陽気な空気を送り込む。佐藤はオーディエンスに向けて「さよならって急に来るから、人にしても、物にしても、もっと大事にしたい。一緒にさよならじゃない何かを、僕らと探しにいきませんか？」と語ったのち、「Shout it Outの最後の一音まで楽しんでいってください！」と声を上げる。バンドは最後にミラーボールが回る中「風は突然に」を熱演。曲中、演奏を止めると佐藤は「みんなまた絶対会おうね？ OK？」と投げかけ拍手を浴びた。

続くclimbgrowはメンバー1人ひとりがステージに現れ、深々と一礼をする。杉野泰誠（Vo, G）がギターをかき鳴らしながらシャウト混じりの歌声を響かせ観客を釘付けにすると、ほかのメンバーもエッジィなサウンドと熱いパフォーマンスで客席を煽る。「滋賀のロックバンド・climbgrowです！ シェルターもっといけるでしょう!!」という杉野の声から、バンドはハイスピードな「ハイライト」でさらに場内の熱気を高めた。MCではShout it Outについて、杉野が「すごく仲がいいんですけど、じんじん（露口仁也 / G）だけは心を開いてくれない」、谷口宗夢（Dr）が「（山内）彰馬（Vo, G）のお母さんがよくライブを観に来てくれる」とエピソードを語り、場内に和やかなムードを漂わせた。その後も近藤和嗣（G）の繊細なギターリフがエモーショナルに響く「Landscape」、杉野が言葉を吐くように歌った「極彩色の夜へ」、まばゆい光を浴びてメンバーそれぞれが力強く演奏した「叫んだ歌」などを届けてステージを降りた。

Shout it Outは4人で手を重ねて気合いを入れ、パフォーマンスを開始する。山内彰馬（Vo, G）は「大阪・堺、Shout it Out始めます！ 忘れられない夜にする！」と宣言したのち、ギターを鳴らして「風を待っている」を歌い始める。続く「若者たち」ではステージが赤いライトで照らされる中、熱のこもった演奏を届けた。MCで山内は赤色のグリッターとclimbgrowとの関係性について言及し、「今日は2バンドともに負ける気はしないし、負けたくない！」と意気込んだ。バンドはその後露口仁也（G）のアルペジオがフロアを温かく包んだ「ハナウタ」、山内が「あなたと、あなたの大切な人に歌います」と前置きした「生きている」、新曲「逆光」などを次々と披露。オーディエンスは山内の歌うまっすぐな言葉にじっくりと耳を傾けていた。

ラスト2曲を残し、彼は「作った人が死んでも曲は残るとかよく聞くけど、僕はそんなことはどうでもよくて、今こうやってあなたに向けて言葉を伝えて、あなたの手をとって一緒に生きれることが音楽の魅力だと思うんです。今までもそうしてきたから、これからもちゃんと全部歌にして届けます」とファンに思いを伝えた。そしてShout it Outは「花になる」で優しいサウンドを響かせ、疾走感のある「光の唄」で本編を締めくくった。アンコールで披露された「17歳」で山内が声を張り上げるように歌うと、オーディエンスはシンガロングでそれに応える。メンバーそれぞれが激しく音を鳴らしてライブを完遂し、ファンの大歓声と拍手を浴びた。

なおこの日披露されたShout it Outの新曲「逆光」は、今年開催される10代限定の音楽コンテスト「未確認フェスティバル2016」の応援ソングとして使用される。さらに同曲はバンドが3月16日にリリースする4曲入りCD「僕たちが歌う明日のこと」に収められる。