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きのこ帝国、多彩なサウンドで魅せた満員の赤坂BLITZ公演

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佐藤(Vo, G)(Photo by Yuki Kawamoto)

佐藤(Vo, G)(Photo by Yuki Kawamoto)

きのこ帝国が1月21日に東京・赤坂BLITZにてワンマンライブ「CITY GIRL CITY BOY」の東京公演を開催した。

昨年10月に発表された2ndフルアルバム「フェイクワールドワンダーランド」のリリースツアーとして、大阪と東京の2カ所で行われた「CITY GIRL CITY BOY」。昨年2月に東名阪で行われたワンマンツアー「花束を持ってきみに会いに行こう」以来、約1年ぶりのワンマンライブとなったこれらの公演のチケットはソールドアウトしており、注目度の高さが伺えた。

SEが流れる中、薄暗いステージに佐藤(Vo, G)、あーちゃん(G)、谷口滋昭(B)、西村“コン”(Dr)が笑顔で登場し、ゆったりと演奏をスタートさせる。柔らかな音色で会場を包み込むと、佐藤は「こんばんは、きのこ帝国です」と挨拶をしてから「海と花束」を歌い始めた。夜が明けていくように徐々に明るくなったステージで、バンドは間髪入れずに「WHIRLPOOL」を披露。年末の穏やかな情景を切り取った「ラストデイ」ではメロディアスなサウンドで赤坂BLITZを満たした。

ギターを優しくストロークした佐藤は「クロノスタシス」を語りかけるように歌唱。佐藤の透明感のある歌声、あーちゃんの鳴らすキャッチーなギターリフ、西村のエッジの効いたドラム、谷口のグルーヴィなベースが1つに合わさり、オーディエンスは4人が紡いだアンニュイで心地よいサウンドに身を任せた。ライブが中盤に差し掛かった頃、佐藤は「ワンマンライブで赤坂BLITZがいっぱいになって、私たちはとてもうれしく思っています。皆さん今日は集まってくれてありがとうございます」と観客に感謝の言葉を送る。その後あーちゃんがハンドクラップを煽動した「風化する教室」から、リズムが強調されよりダンサブルな印象になった「You outside my window」を経てドライブ感のある「国道スロープ」になだれ込むと、オーディエンスは手を挙げ、高揚した気持ちを露わにしていた。

11曲を歌い終えたところで佐藤は「大阪でもワンマンをやってきたんです。そのときはグッズのキャップをかぶってる人が誰もいなくて。でも今日はかぶってる人がいてうれしい。東京は一応、私たちのホームなんだなって思いました」と照れくさそうに語る。そんなMCを経て再び照明が落とされると、仄暗いステージから「ユーリカ」が届けられた。続く「退屈しのぎ」では4本のスポットライトの光が天井からまっすぐと降り、その下で4人が歌声を重ねていく。「夜が明けたら」と「疾走」では、観客たちが食い入るようにステージを見つめながらメロウなバンドサウンドを堪能していた。

佐藤とあーちゃんによるコーラスワークが印象的な「明日にはすべてが終わるとして」では、西村の躍動感のあるドラミングと谷口の骨太なベースが2人の歌声をより際立たせる。西村が曲間をリズムでつなぎ、佐藤が「心を込めてこの曲を歌います」と宣言してから歌い始めたのは「東京」。彼女が朗らかにワンコーラス歌い終えるとステージ後方からまばゆい光が放たれ、会場全体が明るく照らされた。昨年9月にアルバムの先行シングルとしてリリースされ、今やバンドの代表曲となった同曲を4人は丁寧に奏でていく。拍手喝采を浴びた4人は本編ラストをアコースティックサウンドのアルバムバージョンとは異なる、ドリーミーなバンドアレンジを施した「フェイクワールドワンダーランド」で締めくくり、ステージを降りた。

アンコールにきのこ帝国の4人はMCで話題に上がった「FWWL(フェイクワールドワンダーランドの略)」という文字が入ったキャップをかぶり、肩を組んで登場。佐藤はこの日のライブをもって3カ月ほどの制作期間に入ることを告げてから、「春に新曲が届けられるようにがんばって作曲して参ります。どうかお待ちください」とファンにメッセージを送った。バンドは最後に疾走感あふれる「Telepathy/Overdrive」を投下。爽快な余韻を残して「CITY GIRL CITY BOY」東京公演の幕を下ろした。

きのこ帝国「CITY GIRL CITY BOY」
2015年1月21日 赤坂BLITZ セットリスト

01. intro
02. 海と花束
03. WHIRLPOOL
04. ラストデイ
05. クロノスタシス
06. ヴァージン・スーサイド
07. あるゆえ
08. 風化する教室
09. You outside my window
10. 国道スロープ
11. パラノイドパレード
12. ユーリカ
13. 夜鷹
14. 退屈しのぎ
15. 夜が明けたら
16. 疾走
17. 明日にはすべてが終わるとして
18. 東京
19. フェイクワールドワンダーランド
<アンコール>
20. Telepathy/Overdrive

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