明日にでもまたやりたい!“The Verbs”奥田民生、初海外ライブに手応え

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奥田民生がThe Verbsのメンバーとして、アメリカ・ロサンゼルスにて現地時間の1月17日および19日にライブを実施した。

「Guitar Center's Drum-Off Finals」でパフォーマンスを披露するThe Verbs。 (Photo by Mayumi Nashida)

「Guitar Center's Drum-Off Finals」でパフォーマンスを披露するThe Verbs。 (Photo by Mayumi Nashida)

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奥田民生(G) (Photo by Mayumi Nashida)

奥田民生(G) (Photo by Mayumi Nashida)[拡大]

2010年にThe Verbsに正式加入し、3月18日にリリースされるカバーアルバム「Cover Story」のレコーディングにも参加している奥田。ユニコーンのデビューから28年目を迎えるなど長いキャリアを誇る彼だが、海外でライブを行うのは今回が初めてということで、そのステージに熱い注目が集まっていた。また今回はThe Verbsにとって現体制になってから初のステージというだけでなく、アメリカ初ライブということもあり、1月13~16日にかけてロサンゼルス郊外のスタジオでリハーサルが行われ、ライブに向けての音作りや選曲などが行われた。

1月17日、The Verbsにとって記念すべき初アメリカライブの場所として選ばれたのは、ロサンゼルスのダウンタウンにあるコンサート会場・Club Nokia。彼らはスティーヴ・ジョーダン(Dr)がゲストとして招かれたドラムコンテスト「Guitar Center's Drum-Off Finals」にてスペシャルライブを披露した。コンテストの終盤に登場した4人は大勢の観客が見守る中で、まずは2ndアルバム「Trip」の収録曲「World's A Mess」をプレイ。序盤は手探りをするように音を重ねていた4人だったが、アイコンタクトを取りながら徐々に息の合ったアンサンブルを奏でていく。ミーガン・ヴォス(Vo, G)のハスキーなボーカル、スティーヴの骨太で硬質なリズム、ウィリー・ウィークス(B)のメロディアスなベース、奥田(G)のひずんだギターが一体となって会場を圧倒していた。なおこの日バンドが演奏したのは「Cover Story」の収録曲を含む5曲。出番を終える際にミーガンは「スティーヴを愛してくれてありがとう」と観客に感謝の思いを伝え、The Verbs初のアメリカ公演を締めくくった。

The Verbs (Photo by Mayumi Nashida)

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そして1月19日のライブは、ロサンゼルス市内のThe Hotel Cafeで行われた。The Hotel Cafeは、木造の床やステージにかかる赤地のカーテン、巨大なシャンデリアなどが独特の空気を醸し出すライブハウス。The Verbs初のアメリカ公演の開催を祝って会場に広島東洋カープへの復帰を発表した黒田博樹投手から花が届けられたほか、ライブにはジョン・メイヤー、ワーワー・ワトソン、ジム・ケルトナーといったアーティストたちも駆けつけた。

開演時刻の19:00を少し過ぎた頃、The Verbsが観客の間を縫ってステージに登場。ミーガンの「Good evening!」という挨拶を機に、4人は「World's A Mess」を勢いよく鳴らした。17日のライブでの経験を糧に、バンドは序盤から息の合ったセッションを繰り広げていく。2曲目として披露されたThe Kinksのカバー「Till The End Of The Day」のアウトロでは、奥田の奏でるブルージーなギターを軸にインプロビゼーションが展開され、フロアの熱を一気に引き上げた。

MCで奥田はミーガンに「OT on guitar! Hiroshima!」と紹介され、笑いながら手を振りオーディエンスに挨拶。和やかな雰囲気が漂ったところで、スティーヴの軽やかなドラムと奥田の弾く小気味のいいギターがミーガンの歌声を彩るBadfinger「Baby Blue」のカバーや、ミーガンのボーカルとスティーブのハーモニーが魅力の「I'm Your Chocolate」がフロアを心地よく揺らしていく。続く「Silent Man」では奥田の豪快なギターにあわせてスティーヴがエネルギッシュにドラムを叩き、その様子にウィリーが笑みを浮かべる場面も。4人のプレイは時間の経過とともに強固さと一体感を増し、同曲のアウトロで長く激しいインプロビゼーションが繰り広げられると、フロアから「サイコー!」といった日本語の声援が高らかに響いた。

「Guitar Center's Drum-Off Finals」のライブ前に、“ブラックカーペット”上でのフォトセッションに応じたスティーヴ・ジョーダンと奥田民生。 (Photo by Mayumi Nashida)

「Guitar Center's Drum-Off Finals」のライブ前に、“ブラックカーペット”上でのフォトセッションに応じたスティーヴ・ジョーダンと奥田民生。 (Photo by Mayumi Nashida)[拡大]

後半戦に入ると「Cover Story」からミーガンの気怠いボーカルが光る「Black Is Black」、ゴキゲンなムード全開のロックチューン「Glad All Over」、メランコリックな雰囲気を醸し出す「I'm Not Lisa」が続けてパフォーマンスされ、最新型のThe Verbsがしっかりとオーディエンスに届けられた。「I'm Not Lisa」では奥田のソロギターもたっぷり盛り込まれ、彼が奏でる憂いを帯びたサウンドが観客をうっとりと酔わせていた。

なおこの日のThe Verbsは8曲でライブを終える予定だったが、スティーヴが「We got to go」と口にすると4人を引き止めるように盛大な拍手と指笛が発生。スティーヴは「One more!」と宣言すると、The Verbsのオリジナル曲の中でもひと際パンキッシュな「Hey, Hey, Uh-Huh!」へとなだれ込んだ。スティーヴのタイトなドラムにミーガンがハスキーで甘い歌声を重ね、奥田もスティーヴと一緒に「Hey, Hey, Uh-Huh♪」とコーラスを響かせる。スティーヴが曲の終盤で「You look good! I feel good too baby!」と上機嫌に叫ぶと、これをきっかけにアウトロのセッションがスタート。奥田は激しく体を揺らしながらメインフレーズを激しく奏で、それに呼応するようにウィリーは骨太なグルーヴを生み出していく。ラストではスティーヴの破壊力たっぷりのドラムが炸裂し、この日一番の拍手と歓声がフロアに響きわたった。約50分のステージを終えたあと、奥田はギターを高く掲げ笑顔で観客に挨拶。その後、メンバーはステージ前方で肩を組むと万感の表情でフロアを見渡す。そして大きな歓声と拍手を背に楽屋へと向かっていった。

なお初のアメリカ公演を大成功に終えた奥田は「始まる前、楽屋でスティーヴとミーガンが緊張してて。人が緊張してるのを見てちょっと緊張しました」と述べつつ、「ライブはあんまりアウェイ感はなかったかな。面白かったし。明日にでもまたライブをしたい!」とライブを存分に堪能した様子。またスティーヴは「『Cover Story』のリリースにあわせて来日ツアーもしたい」と発言しており、The Verbsの3度目のツアーにも期待が高まるところだ。

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The Verbsライブ
2015年1月19日 The Hotel Cafe セットリスト

01. World's A Mess
02. Till The End Of The Day
03. Baby Blue
04. I'm Your Chocolate
05. Silent Man
06. Black Is Black
07. Glad All Over
08. I'm Not Lisa
09. Hey, Hey, Uh-Huh!

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