マキタのメジャーデビューアルバム「推定無罪」のレコ発ツアーの最終公演となったこの日。まずはマキタを除くマキタ学級の面々やバンドメンバーが、ツアーグッズである「無罪タオル」を掲げてステージへ現れ、T-SQUARE「TRUTH」のカバーで場の空気を温める。続けてスーツ姿のマキタが「俺は無罪だ! 俺は無罪だ!」と主張しながら登場。自己紹介をするように「マキタスポーツのテーマ」を届け、観客をマキタワールドへ誘っていった。
オリジナルナンバーも秀逸だが、マキタスポーツの真骨頂は作詞作曲ものまねや名曲のパロディネタの数々。序盤の懐メロコーナーでは尾崎豊の「15の夜」を、歌詞はそのままに盆踊り風にした「15の夜音頭」、沖縄民謡風に大胆にアレンジしたThe Ventures「パイプライン」、長渕剛「乾杯」とサザンオールスターズ「いとしのエリー」を絶妙にマッシュアップした「いとしのエリーに乾杯」などで会場を爆笑の渦に巻き込む。またこのコーナーではウチノファンタジー(Dr)らも大活躍。マキタが森山直太朗「さくら」のカバーで美声を披露しようとした矢先にウチノが割り込み、ハイトーンボイスで同曲を完璧に歌い上げる一幕も。喝采を浴びるウチノを横に、マキタは苦々しい表情で「俺が雇ったウチノファンタジー!」と紹介していた。
幕間にはテレビ東京のバラエティ番組「ゴッドタンSP 芸人マジ歌選手権」にマキタがヴィジュアル系コミックバンド「FLY OR DIE」として出演した際の映像が上映され、次のパフォーマンスへの布石が打たれる。幕が再び上がると、ド派手な衣装とメイクを施したマキタをはじめとするメンバーたちが登場。ヴィジュアル系になりきった面々は、起伏の激しいサウンドと素朴な歌詞のミスマッチで魅せる「お母さん」などを披露した。
その後は鉄板ネタの「作詞作曲ものまね」に突入すると、マキタワールドに場内は何度も爆笑に包まれる。ここで披露されたのは「推定無罪」には収録されなかった定年間近の男性の悲劇を歌った「59の夜」や、福山雅治をイメージさせる甘い歌声と下ネタのギャップで魅せる「袋とじ」といったナンバー。さらに「十年目のプロポーズ(Feat.
小ネタやセッションを含むと本編で実に26曲を披露したマキタだが、アンコールでも「浅草キッド」のカバーを披露するなど大盤振る舞い。MCでは「まだまだいくんで。こんながんばってるおじさんいないでしょ?」と野望を剥き出しにし、新宿LOFT公演を成功に導いた。なおマキタスポーツは11月4日に静岡・フリーキーショウにて、ワンマンツアーの追加公演を開催する。足を運ぶ人は練り上げられたエンタテインメントを存分に楽しもう。
マキタスポーツ「推定無罪~俺は悪くない~」
2013年10月4日(金)東京都 新宿LOFT セットリスト
01. マキタスポーツのテーマ
02. はたらくおじさん
03. 芸人は人間じゃない
04. SEPTEMBER
05. 15の夜音頭
06. 島唄
07. パイプライン
08. Lovin' You
09. さくら
10. いとしのエリーに乾杯
11. ビジュアルセッション
12. 紅
13. NO.NEW YORK
14. お母さん
15. セッション
16. コーヒー★ギュウニュー
17. Piss~シーシーゲーム~
18. オノマトペ
19. 袋とじ
20. 59の夜
21. 若大将のハミングソング
22. オーシャンブルーの風のコバルトブルー~何も感じない歌~
23. ギターケンドー
24. 十年目のプロポーズ(Feat.スチャダラパー ver.)
25. 1995 J-POP
26. 歌うまい歌
<アンコール>
27. 浅草キッド
28. 俺はわるくない
29. 男たちのメロディー
30. オレの歌
リンク
- マキタスポーツ official website
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音楽ナタリー @natalie_mu
マキタスポーツ×スチャ、LOFTで生「十年目のプロポーズ」 http://t.co/UFYCd1BBJ4