野村萬斎、初の現代劇で宮迫博之とコンビ演じる「僕も漫才師になったよう」

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野村萬斎が「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」に主演することが明らかになった。

左から宮迫博之(雨上がり決死隊)、野村萬斎。(c)2016「スキャナー」製作委員会

左から宮迫博之(雨上がり決死隊)、野村萬斎。(c)2016「スキャナー」製作委員会

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「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」は、物や場所に残った人の記憶である“残留思念”を読み取ることができる男・仙石和彦を主人公としたエンタテインメント作品。彼は自らの能力を使い、マイティーズというコンビで一時は脚光を浴びたが、その代償に精神をすり減らしてコンビを解散し、人目を避けた生活を送っていた。しかしあるとき元相方で現在はピン芸人のマイティ丸山が、仙石の力で行方不明になった女性を探してほしいという女子高生を連れて現れる。10年ぶりに再会した丸山を拒否する仙石だったが、突然見たことのないビジョンが頭に浮かんだことをきっかけに、ある事件に巻き込まれていく。

狂言師でありながら「陰陽師」「のぼうの城」といった作品で俳優としても活躍する野村は、本作で初めての現代劇に挑む。そしてマイティ丸山に扮するのは、雨上がり決死隊の宮迫博之。野村は宮迫とコンビ役を務めることについて「僕も漫才師になったような不思議な気分です(笑)。狂言もセリフ術ですが、今回セリフの応酬で魅せる部分もあるこの作品の中で話芸を培われた宮迫さんと一緒にやると非常にテンポ感が出ます。判り易く言えば楽しいキャッチボール。お互いが楽しんでいて、それを人が見て楽しい。そんなコンビネーションになっていると思います」とコメントしている。

監督を務めるのは「デスノート」シリーズの金子修介。「ALWAYS 三丁目の夕日」の共同脚本で日本アカデミー賞最優秀脚本を受賞し、「キサラギ」「探偵はBARにいる」といった映画や「相棒」「リーガル・ハイ」などのテレビドラマでも活躍する脚本家の古沢良太がオリジナル脚本を書き下ろした。

「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」は2016年ゴールデンウイークに全国ロードショー。

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野村萬斎 コメント

僕は狂言師なので、どうしても腹から声を出してしまいます。今回は現代劇ですし、そんなに大きな声を出さないでと監督に言われていますので、なるべく自然に喋ることを心がけています。
今回の脚本の、物に人間の思いが宿るというのは日本的な感性で素敵ですよね。そして、それが事件を解決するカギになるというのもオリジナルの面白さだなと感心致しました。僕らも先祖伝来の衣裳や面には人の思いが宿っていると感じます。面にしても単純に木のきれっぱしだと思えばそうかもしれませんが、そこに色々な人の思いが宿っているんだと思うからこそ、恭しく扱う訳ですよね。そう思うとこのお話にも全く共感できますね。
また、宮迫さんとのコンビですが僕も漫才師になったような不思議な気分です(笑)。狂言もセリフ術ですが、今回セリフの応酬で魅せる部分もあるこの作品の中で話芸を培われた宮迫さんと一緒にやると非常にテンポ感が出ます。判り易く言えば楽しいキャッチボール。お互いが楽しんでいて、それを人が見て楽しい。そんなコンビネーションになっていると思います。

宮迫博之 コメント

本来、映像のお仕事に限らず、ある程度の緊張を持って仕事に臨むんですけど、今回は芸人ということもあって今の所、ほぼフラットです(笑)。
僕は幽霊=残留思念説っていうのを小学校からずっと唱えているんです。「幽霊はいない! ただの思いという映像が残っているんだ」と。なので、非常にこの話には興味を持ちました。舞台だってそうです。怖いですよ~、1000人の前で漫才やって、誰一人笑わない。あの時の思念は絶対残ってます(笑)。
萬斎さんとお仕事させてもらうのは初めてなんですけど、とにかく初対面の感じがしなかった。不思議と、何の違和感もなくリズムよくできたんです。ただ我々も喋る仕事ですが、発声のレベルが全然違う。(萬斎さんの)役柄的には(発声を)抑えないといけないので、監督さんから注意されることもあるんですが、その時の発声が全てこっちのお腹に響いてくるから、すげ~なと(笑)! あのお腹に響く発声はどうやってるんだろう?などと思いながら、ご一緒しています。

金子修介監督 コメント

今回の脚本は今までにない独創的なストーリー展開だなと思います。主人公は残留思念が読めるのですが、生きてる人の気持ちまでは読めない。物に宿った思念を読み取るだけ。役に立つ能力じゃなく、過去に起こってしまったことを知っていくだけ。そこが面白いんじゃないかなと思います。さらに、古沢さんの台詞のやりとりの上手さを生かし、骨太で皆が面白がれる新しいタイプのエンターテイメント映画ができるなと思っています。
まだ撮影は途中ですけど、萬斎さんと宮迫さんの二人の掛け合いは、昔からコンビをやってるんじゃないかと観ている人には思えるでしょう。萬斎さんのしっかりした芝居に宮迫さんがツッコミを入れて来るのが、実はしっかり計算されている。でも、そんな風には見えないはずで、ニヤニヤと時には吹き出してしまいますよ。

古沢良太(脚本家)コメント

今回の脚本を書き始めた頃、記憶に興味があったんです。同じ出来事でも人によって全く違うように覚えていて、大体は自分に都合のいいように物事を解釈し、それが正しいと記憶している。そんなことが悲劇のキッカケになっているというプロットで作りたいと思っていました。
主演の萬斎さんは普通の人っていうよりは、普通じゃない人……“変人”をある説得力を持って演じられる人であるだろうと思っています。なので何かしらの特殊な能力を持った人間でいこうと決めていました。色んなアイディアはありましたが、新しいヒーロー像がいいと思っていて、正攻法で事件を解決するプロットの中に今までに無いような主人公、探偵像を作りたいと思いました。
そんな中で、人が長年使っていた物に魂が宿るという発想が出てきた所、主人公が人や物の残留思念を読み取ってしまうという画が思い浮かんだんです。そこから書き始めました。
一方、宮迫さんが演じる丸山というキャラクターはお笑い芸人。なので、本職の方がやってくれると説得力があります。バカなことも言うけれど、いかんせん仙石がもっと変人なので、ビシバシ、突っ込んでいかなきゃならない。その両方を器用にできる方がいいと思っていたので、宮迫さんは本当に理想的だなと思っています。
オリジナルで脚本を書かせて貰えるのは脚本家としてすごく幸せなことです。「相棒」→「ゴンゾウ」→「探偵はBARにいる」と事件ものの面白さを学び、面白さを知りました。それらの仕事を通じて学んだものの、自分なりの最新型がこの作品です。現時点での集大成でもあると思います。

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読者の反応

金子修介 @shusukekaneko

今、これをやっております。東映としては森田芳光監督「僕たち急行A列車で行こう」以来四年振りのオリジナル映画なんだそうです。
http://t.co/HpFAvPQeKm

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