藤原季節、高井息吹と“心が救われる瞬間がたくさん”詰まった「星の王子さま」届ける

19

265

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 66 194
  • 5 シェア

『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」が、昨日3月12日に東京・ルーテル市ヶ谷ホールで開幕した。

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)

大きなサイズで見る(全14件)

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

「季節と朗読」は、“朗読×音楽”をモチーフに、藤原季節と八十嶋淳が共同で企画・構成を手がける公演シリーズ。本シリーズでは、朗読を藤原、劇伴音楽と音楽ライブをゲストミュージシャンが務める。今回はゲストミュージシャンとして高井息吹が登場し、藤原と共に、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの小説「星の王子さま」の世界を立ち上げる。なお、藤原と高井が「季節と朗読」で共演するのは、昨年1月に行われた「『祈冬』季節と朗読」以来2回目のこととなる。

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

朗読に使用されたのは、大久保ゆうによる翻訳版で、作中ではアフリカの砂漠に不時着した“ぼく”と、彼がそこで出会った“王子くん”の物語が展開する。王子くんは愛していた“花”と一緒にいるのがつらくなり、故郷の星に別れを告げ、星から星へと旅を続けてきた。王子くんは、7番目にたどり着いた星・地球で、ヘビや、自分の愛していた“花”とそっくりな花たち、キツネ、そして“ぼく”と出会い……。

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

会場となるルーテル市ヶ谷ホールは、教会の会堂でもあり、舞台天井には十字架が吊るされ、舞台の下手奥にはパイプオルガンが埋め込まれている。舞台上には、高井が演奏するグランドピアノ、シンセサイザー、鉄琴などの楽器に加え、劇中で藤原が小道具として用いる椅子や脚立、箱馬が並ぶ。舞台全体に点々と置かれた照明器具は、シーンによっては空間を“部屋の中”のように温かく照らし、また灯りを付けたり消したりする登場人物の1人・あかりつけの登場シーンでは、彼の仕事場を表すように、ゆるやかな明滅を繰り返した。

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

「季節と朗読」では、藤原は台本を持たず、ゲストミュージシャンの演奏に合わせ、身ひとつで物語の登場人物すべてを演じ分ける。髪を金色に染めた藤原は、持ち前のピュアな存在感も相まって、立ち姿だけで王子くんを思わせた。王子くんの、好奇心のおもむくままに、“ぼく”に質問を重ねるさまを子供っぽくコミカルに演じるが、“花”との別れのシーンでは、王子くんが感じている悲しさ、寂しさ、やりきれなさといった複雑な心中を、表情やセリフに乗せて繊細に表現。王子くんとキツネの出会いのシーンでは、「おいらを懐かせて」と王子くんに願うキツネを、四つ足で愛らしく立ち上げる。王子くんとキツネが絆を深めていく様子は、高井による疾走感あふれるピアノの演奏と、楽しげに舞台いっぱいを駆け回る藤原の演技により、幸福感いっぱいに描き出され、そのあと訪れる別れのシーンをより切ないものにした。

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)

「『叶春』季節と朗読 by ライブナタリー」より。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

藤原は、状況の余裕のなさに苛立ちを感じつつも、王子くんの純粋さに心打たれる“ぼく”を、心優しい青年として等身大で演じる。“ぼく”を演じる際、視線をさりげなく王子くんがいる方向に投げかけ、その眼差しの温かさで“ぼく”の優しさを観客に感じさせた。高井は、藤原のセリフのタイミングや、一挙手一投足に合わせて、楽器の音色を響かせ、観客を劇世界に引き込む。また物語が一区切りするごとに、高井のオリジナル楽曲が披露された。柔らかく響く高井の歌声は、「星の王子さま」の切なくも幻想的な雰囲気と調和し、物語を彩った。

このたび、初日を終えた藤原と高井からコメントが到着。藤原は「いよいよ『叶春』の開幕です。去年から、この『星の王子さま』という物語に向き合ってきましたが、心が救われる瞬間がたくさんありました。きっと、ちいさな王子くんの言葉から、受け取れることがあるはずです。僕たちの世界を、僕たちを美しくしてくれる、ほんとうに大切なこと。当日券を販売できる公演もありますので、どうぞよろしくお願いします」、高井は「『叶春』季節と朗読。今回は、地球の上の宝物のような作品、星の王子さま。藤原季節さんの、言葉と物語に向き合う誠実な姿勢と表現に、毎度胸を打たれています。この舞台の記憶が、みなさんの中で光り続けることができるよう、歌と音に願いを込めてお届けします」とそれぞれ思いを述べた。

上演時間は約1時間30分。公演は明日3月14日まで。

この記事の画像(全14件)

「叶春」季節と朗読 by ライブナタリー

2024年3月12日(火)〜14日(木) ※公演終了
東京都 ルーテル市ヶ谷ホール

スタッフ

企画・構成:藤原季節 / 八十嶋淳

出演

藤原季節 / 高井息吹

全文を表示

読者の反応

ライブナタリー @live_natalie_mu

【配信チケット販売中!】

大好評の内に幕を閉じた
「叶春」季節と朗読 byライブナタリー

ステージナタリーにて、開幕ニュースを掲載中。
思いを振り返りながら、レポと写真をご覧ください。
https://t.co/g7ZjnQOGqX

▼4月配信決定!チケット好評販売中。
🎫https://t.co/k9zTmkleuh https://t.co/RJ6UM4xLr9

コメントを読む(19件)

関連記事

藤原季節のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 「叶春」季節と朗読 by ライブナタリー / 藤原季節 / 高井息吹 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします