iakuというものをふんだんに楽しめる公演に…iaku「あたしら葉桜」東京で開幕

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iaku「あたしら葉桜」が本日4月15日に東京・三鷹市芸術文化センター 星のホールにて開幕した。

iaku「あたしら葉桜」より。(撮影:木村洋一)

iaku「あたしら葉桜」より。(撮影:木村洋一)

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本公演では、岸田國士初期作品「葉桜」の朗読と、「葉桜」をモチーフにした「あたしら葉桜」が2本同時に披露される。「あたしら葉桜」は、横山拓也が現代的な視点から母娘の関係を描いた作品だ。今回の公演では、上田一軒が演出を手がけ、林英世と匿名劇壇の松原由希子が出演する。

iaku「あたしら葉桜」より。(撮影:木村洋一)

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上演に際し、横山は「岸田國士『葉桜』朗読との2本立てに、ある種の企画性や、番外公演的な印象をお持ちかもしれませんが、これこそiakuというものをふんだんに楽しめる公演になりました。iaku黎明期から演出家として関わり、この何年かは外側から見つめてきた上田一軒さんが、改めてiakuが目指してきたものを示してくれたように思います」と自信をのぞかせ、上田も「母と娘、娘の結婚、母と娘の関係性やすれ違いなどの要素は本歌そのままに、ほぼ同じテーマを時代や社会背景を変えて描いています。また、横山拓也はこの作品で岸田國士の作劇の方法やセリフを書くアプローチ、ユーモアセンスまで本歌取りしているように見えます。が、同時にまごうことなき横山拓也独自の作品に仕上がってもいます」と作品の手応えを語っている。

横山と上田のコメント全文、林と松原のコメントは以下の通り。東京公演は4月23日まで。公演はその後、28日から30日まで大阪・in→dependent theatre 2ndでも行われる。

横山拓也コメント

岸田國士「葉桜」朗読との2本立てに、ある種の企画性や、番外公演的な印象をお持ちかもしれませんが、これこそiakuというものをふんだんに楽しめる公演になりました。iaku黎明期から演出家として関わり、この何年かは外側から見つめてきた上田一軒さんが、改めてiakuが目指してきたものを示してくれたように思います。

ともに2017年に関西現代俳優賞の女優賞と同奨励賞を受賞している林英世さんと松原由希子さんという、大阪を代表する二人の名優が、大正末期と現在の母娘を連続で演じる醍醐味。100年前の口語と、関西弁現代口語を見比べる面白さも浮かび上がりました。

ストイックに稽古を積み上げきて、研ぎ澄まされた俳優二人が、シンプルで逃げ場のない空間に生き生きと立っている様を、どうぞご堪能ください。

上田一軒コメント

和歌の世界に「本歌取り」という手法がありますが、横山拓也の「あたしら葉桜」は岸田國士の「葉桜」をこれ以上ないくらいみごとに本歌取りした、まさに本歌取りのお手本のような作品です。

母と娘、娘の結婚、母と娘の関係性やすれ違いなどの要素は本歌そのままに、ほぼ同じテーマを時代や社会背景を変えて描いています。また、横山拓也はこの作品で岸田國士の作劇の方法やセリフを書くアプローチ、ユーモアセンスまで本歌取りしているように見えます。が、同時にまごうことなき横山拓也独自の作品に仕上がってもいます。

どちらの戯曲も一場のみの30分~40分の2人芝居というシンプルな作りがゆえに、読めば読むほどセリフの構成の巧みさが際立って見えます。それを俳優と共に汲み取って舞台上に移し替える作業は大変繊細に行わなければならず、苦労しましたが、苦労の甲斐はあったと思います。

「あたしら葉桜」の上演をより楽しんでもらう為に、「葉桜」の方は〈朗読〉形式とし、いくつかの表現上の要素は削ぎ落としていますが、朗読の一形式として楽しんでもらえるのではないかと思います。

また、林英世さん、松原由希子さん、2人の女優の役の呼吸を皮膚感覚で追っていくような繊細な演技も素晴らしいです。

是非、劇場で「あたしら葉桜」の本歌取りの巧みさを楽しんでいただきたいです。

林英世コメント

初めまして、三鷹芸術文化センター。3年前、来るはずだった星のホール。前回、コロナで中止になった時、またいつかやらせてくださいと、横山さんにお願いしましたけど、正直、本当にやれるとは思っていませんでした。年齢的にもギリかな、次は私じゃないかなと思っていたので。

この機会を頂いて、一軒さん、松原さんとこの作品にまた取り組めて、本当に良かったです。初演から数えて3度目の稽古場は、いろんなものが広がって、繋がって、だからこそ迷路にはまって、見失って、見つけて、捨てて、拾っての繰り返しでした。俳優として、また生活者としての自分が試される稽古場でした。そして、そんな果てしない旅を、飽くことなく楽しみました。

横山さんの作品はとても柔らかくて、どんな形にもなります。だから関わる人達が違うと別の作品になるんでしょうね。同じような人生でも、ひとつひとつが違うように。

さて、私たちの「あたしら葉桜」がどんなふうに出来上がったのか…是非、劇場へ見届けにいらしてください。お待ちしてます。

松原由希子コメント

コロナによって上演中止となってから3年。長い間待ち望んでいた作品を、やっと上演できて嬉しいです。

この機会に感謝して、演じたいと思います。

岸田國士「葉桜」、横山拓也「あたしら葉桜」どちらも演じるには難易度の高い作品。苦戦しました。しかし、この2作を並べて演じることで、戯曲の面白さが何倍も鮮明になって、やっぱり楽しい。お客様とその面白さを共有していきたいなと思います。

この記事の画像(全3件)

iaku「あたしら葉桜」

2023年4月15日(土)~23日(日)
東京都 三鷹市芸術文化センター 星のホール

2023年4月28日(金)~30日(日)
大阪府 in→dependent theatre 2nd

作:横山拓也
演出:上田一軒
出演:林英世、松原由希子

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