クレネリ ZERO FACTORY「ほどける双子」が、12月2日から4日まで東京・梅ヶ丘BOXで上演される。
これは、大岩真理が作、
本多は「誰かの支えにも気づく事が出来なかったのか、支えがなかったのか、女は忘れかけていた幼少期の記憶に支えられ、生きる選択をした。悲しい事実を一生背負いながら生きていく女を観に来てほしいです」と述べた。なお、12月4日18:00開演回はツイキャスにてライブ配信される。
大岩真理コメント
立ち泳ぎをしているみたいだ、と思う。情報の海で、顔だけ出して。
白く輝く砂浜が見えても、近づくと消える幻で、結局また足がつかない場所で水を掻き続ける。疲れだけが溜まる。早く結論がほしい。どうしたら本物の砂浜に上がれるのか、わかりやすい答えがほしい時代。
一人の女が一人で混沌とする一人芝居。
ここには、結論も答えもない。
女性に生まれたからには切り離せない事柄が、書いた当時の自分にまとわりついていて、色々な断片と絡まり、孕んだ本作「ほどける双子」は、混沌のまま、ずるりと生まれた。
結論も答えも吹き飛ばし、女が一人、何かを捕まえ何かを脱ぎ捨て、生々しい混沌のままどこまで突っ走って行くか。
それを観ていたら案外、立ち泳ぎの疲れを忘れられるかもしれない。
本多真弓コメント
簡単に説明すると、育児ノイローゼになってしまった女性のお話です。
私も育児を経験した母ですが、産んですぐは育児ノイローゼに近い状態を経験しました。
経験のない不安と孤独に押し潰されながら、毎日を必死に過ごす。小さな命を守る為に自然と世間から離れ、子育てに追われて過ごした日々は、今では自分の支えになる程の経験になりました。あの時期を乗り越えられたから強くなれたと思っています。
ほどける双子に登場する女は、産んだばかりの繊細な母体に細い針を刺すように、チクチクと苦しめていったのかもしれません。
理想の結婚、理想の出産を夢見た、普通の女性なのに、育児を苦しく感じてしまったら、自分でも理解できない程追い詰められる。
誰かの支えにも気づく事が出来なかったのか、支えがなかったのか、女は忘れかけていた幼少期の記憶に支えられ、生きる選択をした。悲しい事実を一生背負いながら生きていく女を観に来てほしいです。
本多真弓 @kureneri
ステージナタリーさんに、取り上げていただきました!ありがとうございます♪ https://t.co/s2nUCrc21L