上演に向け、桑原は「この作品を上演するにあたりとても嬉しい事がある。俳優たちが自閉症を学んでくれる。お客様にお伝えする前に、まず俳優が当事者の事を考え寄り添う。知る。その波及効果が一番嬉しくて、ほんのちょっとだけど、社会に変革をもたらすんじゃないかという気がして、公演の意義をほそぼそと感じている」「『でんすけ』を通じて、一人で抱え込んで悩む社会から、人と分かち合って次に向かっていける社会の変革を信じたいという『願い』を込めて進んでいく。御覧頂いた皆様の、生活のエネルギーの一助になれば、幸いです。たくさん笑って頂きたいと思います」とコメントした。公演の模様は配信される予定だ。詳細は続報を待とう。
桑原秀一コメント
自閉症を扱う作品を書こうと思った29歳の頃。
この作品の背景にあるのは、38歳で躁鬱病になり、その後他界するまでその病気と闘い続けた父親との思い出、父は世界一優しい男。そして、高校時代の親友の親父が元お笑い芸人だったことが起因となっている。親友の父は一緒にハワイで遊んだ最高に粋な男だ。
作品は、高校生の時に感じた事が主で、躁鬱病(双極性障害)の家族を持つ生活が特に困難を極めた頃に、得た感覚だった。当時は父親にこの世からいなくなって欲しいと思った事もある。思春期の思い出の中に、「社会に認められていない病気」に対する偏見のようなものを強く感じた。
一緒に街中を行動する時は特に感じた。
それから精神疾患について強い思いを抱くようになり、自閉症を学び、本作に影響を与えた。
この作品を上演するにあたりとても嬉しい事がある。俳優たちが自閉症を学んでくれる。お客様にお伝えする前に、まず俳優が当事者の事を考え寄り添う。知る。
その波及効果が一番嬉しくて、ほんのちょっとだけど、社会に変革をもたらすんじゃないかという気がして、公演の意義をほそぼそと感じている。
「でんすけ」で描く世界は仮の世界。社会には「でんすけ」に出てくるようなコミュニティはおそらく存在しないと思う。ただ、20代最後だった私の叫びは、この世の中が「でんすけ」のような社会でありたいと願う事だったんだと、10年経って新たに感じることが出来た。
拙い脚本は、直江さんをはじめ、出演者の経験に基づきブラッシュアップを繰り返している。「でんすけ」を通じて、一人で抱え込んで悩む社会から、人と分かち合って次に向かっていける社会の変革を信じたいという「願い」を込めて進んでいく。
御覧頂いた皆様の、生活のエネルギーの一助になれば、幸いです。たくさん笑って頂きたいと思います。
JAPLIN vol.14「でんすけ」
2022年6月15日(水)~19日(日)
東京都 新宿シアタートップス
作・演出:
出演:
※桑原秀一の「桑」は旧字体が正式表記。
直江喜一 @380108
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