「母孵ル、」は、家を出た娘と、その家族の再生と瓦解を描いた物語。福井しゅんやが作・演出を手がけ、AキャストとBキャストのWキャスト制で上演される。
開幕に際し、福井は「二つの家庭の一つの夜の中で、醜態を晒し、わやくちゃになって、それでもなんとか幸福を保とうとする恥かきたちを、同じ恥かき代表の一人として、真っ正面から描いてやろうって、そう意気込んでおります。どうぞ、こんなやつらもいるんだなと、遠いところから笑ってやってくださいませ」とコメントした。
なお、本作は一部過激な表現を含むため、15歳未満は入場不可となっている。
福井しゅんやコメント
恥の多い人生を送って参りました。「恥はかき捨て」とはよく言ったものですが、さすがにここまで恥の多い人生だと、辟易してしまうことも多くて。
ぼくは杉並区でもトップクラスの恥かき(恥をよくかく人)です。
本当もう、年がら年中恥ばっかりかいて生きてます。普通の人の3倍くらいはかいてんじゃないかな。前世で何かあったんじゃないかと心配になるレベルで恥かいてます。この前も電話口で人に怒られて駅の改札で号泣しました。幼い息子にその一部始終をずっと見られながら。
でもね、そんな恥かきマイスターの自分だからこそ見えてくる景色というものがありまして。こんな景色、社会的には何の役にも立たないんですが、こと劇作りに関してだけは、少しだけ得するようなこともあるんです。
恥にも質というものがあって、大なり小なりかいて気持ちのいい恥と悪い恥というのがあるということが、だんだん分かってきました。
人によって、何を恥とするかって違いますし。他人がなんとも思わないことが自分にとってのどうしようもない恥であったり、今まで何とも思ってなかったものが突然自分にとって恥ずかしくてたまらないものに変わったり、またある日急にそれを乗り越えられたり、そうやって強くなったり弱くなったりするもんですよね人間って。
そういう質の悪い恥がパンッパンに、はち切れんばかりに詰まっているのが家庭です。特に日本の家庭というのは、幸福を保つためならなんだってする、非常に厄介な集団です。
そんな家庭を出ていった者、しがみつく者、入ってきた者など、様々な立場から日本の家庭について描いてみました。家庭に蔓延るすべての恥は、この劇でつまびらかにしてやろうって、そんな気概でもって今回、「母孵ル、」という劇をこさえました。
二つの家庭の一つの夜の中で、醜態を晒し、わやくちゃになって、それでもなんとか幸福を保とうとする恥かきたちを、同じ恥かき代表の一人として、真っ正面から描いてやろうって、そう意気込んでおります。
どうぞ、こんなやつらもいるんだなと、遠いところから笑ってやってくださいませ。
最後に、このような状況にも関わらず劇場に足を運んでくださったお客さま、本当に本当に、ありがとうございます。
fukui劇 vol.10「母孵ル、」
2022年2月23日(水・祝)~27日(日)
東京都 劇場MOMO
作・演出:福井しゅんや
出演
Aキャスト:元女咲紀、
Bキャスト:七々原瑚子、山崎良郎、
MEMEモノアイモビルスーツ様ザクさん御用達!ビール完備!★ ガンダムベース 左⇒酒場 @if0g1e
fukui劇「母孵ル、」が、昨日2月23日に東京・劇場MOMOで開幕した。 / https://t.co/p4v9GwSlYB / “幸福を保とうとする恥かきたち”を正面から描く、fukui劇「母孵ル、」開幕 - ステージナタリー https://t.co/LZFIE3AZzN