「新春浅草歌舞伎」の取材会が11月下旬に東京都内で行われ、
2020年に40周年を迎える「新春浅草歌舞伎」は、若手歌舞伎俳優の登竜門として知られる人気興行。「菅原伝授手習鑑 寺子屋」で松王丸を勤める松也は「『新春浅草歌舞伎』の上演演目を相談する中で毎年『寺子屋』の話が出ていたので、ようやく機会を得られてうれしいです」と喜びを語る。自身が大星由良之助を勤める「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」についても言及し、「『忠臣蔵』も『寺子屋』同様、片岡仁左衛門のお兄さんにご指導いただきます。三十代前半のうちに大星由良之助を演じられるとは想像もしていませんでした」と感慨深げな表情を浮かべた。
「絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場」で武智光秀を演じる歌昇は「播磨屋にとって大切な演目。中村吉右衛門のおじさまに教えていただきながら、自分ができる限りのことを勤められたら」と決意を新たにし、「茶壺」で熊鷹太郎を勤める巳之助は「ユーモアのある作品なので、お客様を笑顔にすることを第一に考えたい。坂東流にとって大事な演目ですが、一生懸命勤めていると思われないように演じることに意味があると思っています」と意気込んだ。
松也らが「新春浅草歌舞伎」の主軸を担うようになってから、今回が6年目の公演となる。これについて松也は「初心忘るべからずという思いを持って続けて参りました。お客様には、これまでに私たちが積み重ねてきたものや、今の自分たちにできるベストをご覧いただきたいです。今まで教わってきたことを出し尽くせるように、1カ月間勤めたいと思います」と真摯に語る。
続く歌昇は「『新春浅草歌舞伎』は自分にとって刺激になる公演」と述べつつ、「近年では、演目について俳優同士で話し合うことも増えました。とても貴重な経験をさせていただいています」とコメント。最後に巳之助が「毎年、地元浅草の方々が力を貸してくださっていて、この6年の間に皆様と親交を深めることができました。そこが一番自分の成長を感じるところかもしれません」と思いを述べ、取材会を締めくくった。
「新春浅草歌舞伎」は1月2日から26日まで東京・浅草公会堂にて。
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「新春浅草歌舞伎」
2020年1月2日(木)~26日(日)
東京都 浅草公会堂
演目
第1部:お年玉(年始ご挨拶)、「花の蘭平」「菅原伝授手習鑑 寺子屋」「茶壺」
第2部:お年玉(年始ご挨拶)、「絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場」「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」
出演
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まこ @saruryu1
【会見レポート】令和の「新春浅草歌舞伎」に向け松也・歌昇・巳之助が意気込み「ベストを尽くす」 https://t.co/cVlngRBhU5