「六月博多座大歌舞伎」芝翫が決意表明「会社の社長になったつもりで」

「六月博多座大歌舞伎」が本日6月2日に福岡・博多座にて開幕した。

中村橋之助改め八代目中村芝翫、および芝翫の3人の息子、中村国生改め四代目中村橋之助、中村宗生改め三代目中村福之助、中村宜生改め四代目中村歌之助の襲名披露興行となる「六月博多座大歌舞伎」。

開幕前に行われた成功祈願の鏡開きには、芝翫が、橋之助、福之助、歌之助と共に登場。「東京・大阪に続き、この待望の博多座で親子4人揃って初日を迎えることができて身に余る幸せです」と心境を語った。

また病気治療のため本公演を休演した中村獅童から電話を受けたことを明かし、「彼も本当にこの襲名公演を楽しみにしてくれていました。『博多の皆様にくれぐれもよろしくお伝えください』と伝言をもらっております。彼はきっと復活してここ博多座でも元気な姿を見せることと思います。今は焦ることなくしっかり完治させてほしい」と獅童を気遣った。

獅童が出演予定だった昼の部の「車引」では、代役を芝翫が勤めることになり、夜の部で披露される「祝勢揃壽連獅子」に加え、昼の部でも親子4人の共演が披露される。芝翫は「（何かあったときにカバーし合うのは）当然のことです。今回の襲名では本当に歌舞伎界全体に支えてもらっている。何とか皆さんに恩返ししなくてはいけないと思っています」と周囲への感謝を述べた。さらに「今日も朝から裏でがんばってくれています」と襲名を支える妻・三田寛子を労り、「襲名は一人ではできません。こうして襲名させてもらったからには“八代目中村芝翫”という会社の社長になったつもりで、この会社を大きくし、そしてまたいつかそれを息子たちの誰かに渡したいと思っています」と、家族全員で襲名に臨む気持ちを、改めて強く語った。