関ジャニ∞の
本作は1976年にアルゼンチンの作家マヌエル・プイグが発表した小説を、プイグ自身が戯曲化した作品。1981年に世界初演されミュージカル、映画化もされた。日本国内でも1991年にストレートプレイ版、1996年にミュージカル版が初演され、上演が重ねられている。
ブエノスアイレスにある刑務所の小さな監房に収監された若き革命家・ヴァレンティン(大倉忠義)と、未成年者に対する背徳行為で投獄された母親想いの中年・モリーナ(渡辺いっけい)は、はるか頭上の鉄格子からわずかな光が差し込むだけの、暗く狭い牢獄の中で、噛み合わない会話を繰り広げている。社会に対する憤りや、恋人に会えない苦しさから、鋭く冷たい言葉を発するヴァレンティンに、モリーナは、ある映画の話を語って聞かせる。大倉は牢獄の中で心と身を持て余すヴァレンティンの焦燥感や絶望感を、ときに冷たくときに倦怠感を交え、突き放すような演技で繊細に表現。対する渡辺は、複雑な内面を抱えたモリーナを、逆境の中でも明るさと包容力を失わない芯の強い人物として立ち上げた。
フォトコールのあとには囲み取材が行われた。初日に向けた意気込みを問われた大倉は「まだ実感がなくて。明日、ザワザワっていうお客さんの声を聞いて一気に緊張すると思います。ただ、フォトコールは初めてだったので、パシャパシャとシャッター音がする中でお芝居するのはヤバかったですね、くじけそうになりました。何回も……」と語ると、渡辺も「僕もフォトコールは初めてで、あんなに疲れるとは思いませんでしたね」と続ける。初の二人芝居について大倉は「やってるときはしんどいと思わないんですけど、終わったときにぐったりときます。いっけいさんもそうじゃないかと思うんですけど」と答えると、「不思議なもので、今相手がしんどいなとか、体調がわかるんですよね」と渡辺も頷く。
稽古については、大倉は鈴木の演出が厳しいと事前に聞いていたが、「実際は優しかったので安心しました」と述べると、鈴木が「『腕のある俳優はみんなやりたいようないい芝居だし、初めての二人芝居としてはとても大変な芝居だ』と、稽古が始まる前に大倉くんを脅しすぎたので、稽古では脅さないようにしました(笑)」と明かす。そこに渡辺が「裕美ちゃんの演出は、物腰は柔らかいんだけどどんどんレベルが上がっていってて、大倉くんはそれをどんどん受け入れてて、すごいなと思いましたね」と続けると、鈴木は「案外とんでもない要求をしてたんだけど、大倉くんは『はい、はい』って聞いてくれて」と頷く。それを受けて大倉は「今初めて聞きましたー」と大笑いしながら、「裕美さんが何をいってるのかわからないときもいっぱいありましたけど、やるしかないと思ってやっているうちに、『こういうことかな?』ってちょっと近づけたような実感はありましたね」と稽古を振り返った。
またタイトルにも象徴される、本作を代表するラストの名シーンについては、「究極のラブストーリーになっています」と鈴木。大倉は「ちょっとザワッとする感じはありますが、ハッピーではあるんじゃないですかね」、渡辺は「僕は受け身なんです。受け入れたあとは、役に入ってるからですけど一瞬恍惚とした感じになります。1日だけ大倉くんのファンに代わってあげる日を作りましょうか?」と答え、会場を笑いに包んだ。
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