「エッグ・スタンド」萩尾望都×倉田淳が対談、執筆の経緯や舞台化への思い語る
2017年2月8日 16:47
2 ステージナタリー編集部
3月に上演される、スタジオライフ「エッグ・スタンド」の製作発表記者会見が、昨日2月7日に都内にて行われた。
萩尾望都による同名マンガを原作とした本作は、第二次世界大戦中、ナチスドイツ占領下のパリで出会ったキャバレーの踊り子・ルイーズと少年ラウル、そしてレジスタンス活動家のマルシャンを巡る物語。なお舞台では、ラウル、ルイーズ、マルシャンの3役を「Noirチーム」「Rougeチーム」のWキャストで展開する。
製作発表の前には、萩尾と演出・倉田淳による対談を実施。萩尾は「エッグ・スタンド」を執筆した経緯について、「父と母が戦争を経験している世代なので戦争に興味があった。少しずつ本を読んでいたけど日本を舞台にした作品はあまりにも生々しくて直視できなかった」と切り出し、「20歳過ぎのときに『二十四時間の情事』という映画を観て、非常にショックを受けまして。戦争の悲しみは個々人のうえに落ちてくるものだと感じ、いつかそういう作品を描きたいなと思っていたんです」と話す。また舞台化の実現まで長い期間踏みとどまってしまったという倉田は、萩尾の話を受けて「今だからこそ上演させていただく意味がすごく出てきたなと思っています」と胸中を明かした。
対談後に行われた製作発表には、倉田に加え、出演者の松本慎也、山本芳樹、曽世海司、久保優二、岩崎大、笠原浩夫が登壇。倉田は「人間はどうやって生きていかなければいかないか、何をしていかなければいけないか、ということが深く描かれている。真摯に一言一言大事に取り組ませていただこうと思っております」と意気込み、ラウル役の松本は「細やかな感情の機微を、生身の人間として舞台上で表現できるようにがんばります」と決意を語る。
同じくラウル役を務める山本は「お客さまに期待以上のものを届けたい」とコメント。また、スタジオライフ入団20周年を迎えるルイーズ役の曽世は「劇団での初舞台は、萩尾先生原作の『トーマの心臓』再演でした」と振り返る。曽世同様、ルイーズ役を演じる久保は「何1つ妥協することのなく、自分の中にあるものを絞り出して演じたい」と力強く答え、マルシャン役の岩崎と笠原は「スタジオライフならではの作品として届けられたら」「今作の1番のテーマは、お客さまを冬のパリに連れて行くこと。それに尽きると思う」と作品にかける思いを語った。「エッグ・スタンド」は、3月1日から20日まで東京・シアターサンモール、3月24・25日に大阪・ABCホールにて上演。
スタジオライフ「エッグ・スタンド」
2017年3月1日(水)~20日(月・祝)
東京都 シアターサンモール
2017年3月24日(金)・25日(土)
大阪府 ABCホール
原作:萩尾望都(「エッグ・スタンド」小学館文庫「訪問者」収録)
脚本・演出:倉田淳
キャスト
ラウル:松本慎也 / 山本芳樹
ルイーズ:曽世海司 / 久保優二
マルシャン:岩崎大 / 笠原浩夫
船戸慎士、奥田努、仲原裕之、宇佐見輝、澤井俊輝、若林健吾、田中俊裕、千葉健玖、江口翔平、牛島祥太、吉成奨人、藤原啓児
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金田和也 @KanedaKazuya
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