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池田亮司、WWWで圧巻の「datamatics [ver.2.0]」披露

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池田亮司の単独ライブ「Ryoji Ikeda datamatics [ver.2.0]」が、10月25~27日にかけて東京・WWWにて行われた。

池田にとって約4年半ぶりの単独公演である今回のライブは、3日間で計5公演を実施。池田が2006年から取り組んでいる「datamatics」シリーズの最新形が演奏されるとあり、大きな注目を集めた。当日はステージ中央に大きなスクリーンを配置してライブを実施。5公演で約500人の観客が映像とサウンドの融合を楽しんだ。

ライブが始まると、池田のラップトップから出力されるサウンドは、グリッチノイズやサイン波、金属的なパーカッション、シンセベースのロングトーンなどが中心となり、少ない音数ながら、ひとつひとつの周波数帯を意識した音作りであることを伺わせていた。そしてそれらの音素材が徐々にループを描き1つのミニマルテクノとして形成されていくさまは圧巻で、ライブ序盤は黙って映像を見つめていた。

また映像もサウンド同様に抽象的な世界観が描かれる。具体的な造形物や景色などが映し出されることはなく、ドットの羅列や波形、ホワイトノイズなどでミクロとマクロを行き来するような映像を構築。中でも細かい数字の羅列で構成されたスノーノイズが粗く、細かく、激しくと変化していく作品は、無機質な記号の羅列による映像ながら、有機的な温かさが伝わるもの。池田のミニマリズムの魅力が存分に発揮され、多くの観客がスピーカーから出力されるサウンドに身を委ね体を揺らしていた。

ライブの中盤を過ぎると、池田は生物の体内を想起させる白を基調にした映像に柔らかなシンセパッドのサウンドを融合。張りつめていた会場の雰囲気を一転させたかと思えば、急にディストーションノイズをカットインして迫力ある展開を構成していく。また終盤には爆発音のような音と無音が繰り返されるシーケンスがスタート。そのサウンドが不規則なビートへとつながっていくダイナミックな構成で約1時間のライブは幕を下ろした。

なお池田は、「datamatics [ver.2.0]」最終公演終了後の27日の夜にジェフ・ミルズ、カールステン・ニコライらを招き、こちらも豪華なライブイベントを開催。このイベントで池田は自身の代表作である「test pattern [live set]」を披露し、訪れたファンを喜ばせていた。

※記事初出時より本文中の表現を変更しています。訂正してお詫びいたします。

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