「三月春のパン(タシア)祭り」は2020年3月29日に行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて公演中止に。このたび「三月春のパン(タシア)祭り 2025 -リベンジの春-」として、約5年越しに開催された。イベントのゲストは、2020年のイベントにラインナップされていた
トップバッターのナナヲは「ブループリント」をさわやかに歌い上げてライブをスタート。その勢いのまま「完全放棄宣言」で盛大なコールを巻き起こし、イベント序盤からフロアの熱気を引き上げた。ナナヲは「『三月春のパン(タシア)祭り』、5年越しの実現が達成されました! おめでとうございます! みあちゃんがあきらめずに声をかけ続けてくれてこのステージが叶うこと、ほんまにうれしく思ってます!」と声を弾ませる。さらに「この5年でたくさん曲が増えたんですが、5年前のセトリを見つけて。そのセトリから2曲やらせてもらいます」と述べると、初期ナンバー「妄想ハッピーエンド」「一生奇跡に縋ってろ」をパワフルに演奏してオーディエンスを喜ばせた。
2月にリリースした最新シングル曲「PLAY&PRAY」を力強い眼差しで歌い上げたナナヲ。彼女は“自己紹介ソング”である「ダダダダ天使」を生き生きとパフォーマンスしたあと、Souをステージに呼び込んでコラボ曲「チューリングラブ」を披露した。「チューリングラブ」をライブで2人で歌唱したのはこの日が初めてのこと。ナナヲとSouは息ぴったりのダンスを交えながらこの曲を届ける。そして「明日の私に幸あれ」を天真爛漫に歌ったナナヲは、最後にナナヲ流のラブソング「恋愛脳」をオーディエンスに贈ってアクトを終えた。
続いてステージに姿を現したSouは「ロケットサイダー」で爽快にライブを開始。ダークな雰囲気が漂うナンバー「キルマー」をクールに届けたあと、DECO*27による楽曲「モニタリング」を艶やかなバンドアンサンブルに乗せて披露した。さらにSouは柊マグネタイトのナンバー「マーシャル・マキシマイザー」をパフォーマンス。「リベンジにあたって、あかりんが5年前のセットリストを掘り出してきたと言ってて、おしゃれだなと。僕は5年前のセトリ、手元にないよと思って(笑)。でも、ライブ初披露の新曲を持ってきました!」と告げると、1月に配信リリースした楽曲「化けそうなココロ」で片思いの恋心を妖に例えて表現した。
その後、「ことばのこり」「ただ、君のままで」を疾走感たっぷりに歌唱したSou。彼は「今日こうやってまたリベンジの機会を設けてくれたみあちゃん、あかりん、集まってくれたみんなに感謝しています」と述べ、自身で初めて作詞作曲した楽曲「愚者のパレード」で焦燥感に満ちた剥き出しの歌声を響かせた。幻想的な雰囲気を感じさせるEDMナンバー「センス・オブ・ワンダー」を経て、Souが最後に歌唱したのは「バブル」。儚い歌声でノスタルジックなメロディを紡ぎ、彼はステージを去って行った。
2人からバトンを受け取った三月のパンタシアは、ハンドクラップに包まれながら「パステルレイン」をパフォーマンス。「完璧彼女」では軽快なリズムに乗せて歪んだ愛情を歌い上げ、「醒めないで、青春」ではタオル回しで会場を盛り上げた。「醒めないで、青春」を経て、みあは「5年ぶり、念願の開催ということで、今日は私がずっと大好きなアーティストであるあかりんとSouくん、今日この場所を選んでくれた君とこの夜を一緒に過ごせることを本当にうれしく思います。今日は本当にありがとう」と感謝の思いを伝え、デビュー曲「はじまりの速度」と温かな愛に満ちた楽曲「たべてあげる」をたおやかに披露。その後ジャジーなナンバー「不揃いな脈拍」を艶やかに歌い上げてダークな世界観を生み出し、三月のパンタシアのさまざまな表情を見せた。
ここでみあがSouをステージに呼び込み、「ライブ観てましたよ。カッコよかったですね。髪が青くなっちゃってますね」と髪色に言及。Souは「これ、今日に合わせました!」と声を弾ませて三月のパンタシアのイメージカラーに合わせたことを述べた。2人は夏の終わりを感じさせる切ないデュエットナンバー「まぼろし feat. Sou」を歌唱。掛け合うように儚い歌声を響かせた。そしてSouと入れ替わってナナヲがステージへ。みあが「あかりんは今年に入って新曲を出すことになって、それからごはんに行ったりもしたよね」と話すと、ナナヲ「肉焼いたなあ。こんなにお近づきになれてうれしいです」と笑顔を見せた。2人は3月7日に配信リリースしたコラボソング「天使になりたいっ!」をパフォーマンス。ナナヲの楽曲を手がけてきたナユタン星人と、三月のパンタシアのクリエイティブには欠かせない堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)が制作したこの曲で熱いコールを巻き起こした。
みあは「ちょうど5年前に対バンイベントをやりたいなと思っていたときに、当時から私がずっと敬愛し続けてきたアーティストのあかりんとSouくんにお声がけさせてもらって快諾してもらい、『やるぞ!』と気持ちが盛り上がってたんだけど、コロナの影響で中止せざるをえなくなって。悔しかったし、やるせなさもあったんだけど、5年後の今日、それぞれのアーティストがパワーアップした形で再会できて、しかも5年前にはなかったコラボ曲を披露することもできた。3人それぞれの5年間の物語、軌跡が色鮮やかに描かれた夜になったんじゃないかなと思ってしみじみ幸せを感じております。『パン祭り』5年間待っていてよかったなと思います! そして、待っていてくれて本当にありがとうございました!」と喜びいっぱいに語り、三月のパンタシアの物語とメッセージが詰まった楽曲「ランデヴー」をオーディエンスとともに合唱。最後には代表曲の1つ「青春なんていらないわ」を楽しげに届けた。
アンコールを求める拍手に呼ばれ、みあは再びステージに登場。みあが「『パン祭り』が1回限りで終わるのはもったいないから、3月の恒例行事としてこれからもやっていきたいです。また来てくれますか?」と呼びかけると、会場に大きな拍手と歓声が沸き起こった。ラストはナナヲとSouもステージに出そろい、三月のパンタシアの楽曲「三月がずっと続けばいい」を歌唱。ピースフルな空気で会場を満たし、5年越しの「三月春のパン(タシア)祭り」に幕を下ろした。
なお三月のパンタシアは活動10周年を記念して、初のベストアルバム(タイトル未定)のリリースを発表。アルバムの詳細は追ってアナウンスされる。さらに8月16日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でアニバーサリーライブを行うことも発表した。
三月のパンタシア「三月春のパン(タシア)祭り 2025 -リベンジの春-」2025年3月29日 Spotify O-EAST
ナナヲアカリ
01. ブループリント
02. 完全放棄宣言
03. 妄想ハッピーエンド
94. 一生奇跡に縋ってろ
05. PLAY&PRAY
06. ダダダダ天使
07. チューリングラブ / ナナヲアカリ×Sou
08. 明日の私に幸あれ
09. 恋愛脳
Sou
01. ロケットサイダー
02. キルマー
03. モニタリング
04. マーシャル・マキシマイザー
05. 化けそうなココロ
06. ことばのこり
07. ただ、君のままで
08. 愚者のパレード
09. センス・オブ・ワンダー
10. バブル
三月のパンタシア
01. パステルレイン
02. 完璧彼女
03. 醒めないで、青春
04. はじまりの速度
05. たべてあげる
06. 不揃いな脈拍
07. まぼろし feat. Sou
08. 天使になりたいっ! / 三月のパンタシア×ナナヲアカリ
09. ランデヴー
10. 青春なんていらないわ
<アンコール>
11. 三月がずっと続けばいい / 三月のパンタシア×Sou×ナナヲアカリ
三月のパンタシア 10th ANNIVERSARY LIVE 2025 (仮)
2025年8月16日(土)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)
よはねこ🎧️🧳🕯️ @Ivan_Ivanovitch
三パシ、ナナヲアカリ、Souが集結!念願叶った5年越しの「三月春のパン(タシア)祭り」
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