8月に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で開催されたワンマンライブ「真・株主総会」にて、“原曲キー法”および“口パク”の容疑で現行犯逮捕されていたウォルピスカーター。大阪公演は東京公演のあとに彼が“刑務所に入れられた”という設定のもと行われており、囚人服に身を包んだウォルピスは、けーぽん扮する看守に連れられてステージに登場した。同じく囚人服に身を包んだバンドメンバーが演奏を始めると、彼は「口なしの黒百合」を儚くて切ない歌声で歌い上げ、哀愁漂う空気感を演出。幕間のムービーでは彼が収容されている刑務所が「ライブでキーを下げた重罪人が送られる」という“ハイトーン刑務所”であることが語られ、ウォルピスはことあるごとに「声が低い!」と看守に怒鳴られるという異様な投獄生活を送っていた。看守が「ミュージックスタート」と曲振りをするとバンドメンバーが強制的に演奏を始め、ウォルピスは看守が腕を組んで見守る中で「シ・シ・シ」「致死毒を綴る」で持ち前のハイトーンボイスを遺憾なく発揮した歌声を響かせる。看守は彼の歌に拍手を送りながらも「キーを-1下げただけならバレないと思ったか!」とウォルピスを罵倒。徹底的にハイトーンを強いる生活に限界を感じ始めてきたウォルピスが、囚人仲間とつかの間の安息を享受していると、今度はバンドメンバーが「COSMOS」を演奏し始める。ウォルピスの歌唱に看守役のけーぽんと、ゲストボーカルのえるのが加わり、彼らは3人組ユニット・成人男性三人組として「COSMOS」「Absolute 5」の2曲を歌い、心地よいハーモニーを会場内に響かせた。
ライブ中盤、看守に口パク疑惑を詰め寄られるウォルピスは東京公演での「オーバーシーズ・ハイウェイ」歌唱中のスクリーンに「※現在、口パク中です」と書かれていた証拠を突き付けられて窮地に立たされる。看守からの懲罰として“オーバーシーズ・ハイウェイスクワット”を命じられ、
徹底的にハイトーンにこだわる囚人生活に嫌気がさしたウォルピスは刑務所からの脱獄を決意し、まずは看守をわいろで買収することに。看守に金塊を手渡し、キーを下げて「ありきたりなさよなら」を歌うことに成功したウォルピスは、買収した看守と入念な打ち合わせをして脱出を決行する。ピアノの美しい旋律をバックに「シオン」を情感豊かに歌い上げたウォルピスは、アウトロでステージ上に用意された箱の中へと姿を隠した。その箱をゆっくりと看守がステージ袖へと運び、脱獄は完遂された……と思いきや、サイレンが鳴り始め「脱獄だ!」の声がステージ内に響き渡る。ウォルピスはステージ上を駆け回って逃亡を図るも、警察に捕まり、再びハイトーン刑務所へと投獄されるのであった。
オーディエンスのアンコールに応え、スーツ姿で登場したウォルピスは「なるべくお客さんが声を出さないような演目を考えよう」というテーマをもとに、今回のワンマンライブがミュージカル調のものになったと明かされた。再びゲストボーカルのけーぽん、えるのを呼び込んだウォルピスは、3人でライブを振り返るトークを展開。トークがひと段落すると、3人で肩を並べて「1%」を歌唱した。ゲスト2人をステージから送り出したウォルピスは東京公演と大阪公演を経て「世間って思っているほど原曲キーへのこだわりがない」という気付きを得たと話し、「僕が一歩前に進むことができた」と今年のワンマンライブを振り返った。最後に彼は自身の得意曲「M」を歌唱。「これからはキーを下げても胸を張って歌う」と話しておきながらも、「M」を原曲キーでしっかりと歌い上げたウォルピスは満面の笑みを浮かべながらオーディエンスに挨拶をし、大阪公演の幕を閉じた。
ウォルピスカーター「ハイトーン刑務所 ~LIVEでキーを下げただけなのに~」2021年10月24日 Zepp Osaka Bayside セットリスト
01. 口なしの黒百合
02. 雨子
03. シ・シ・シ
04. 致死毒を綴る
05. COSMOS / 成人男性三人組
06. Absolute 5 / 成人男性三人組
07. オーバーシーズ・ハイウェイ / 成人男性三人組
08. / / // / /
09. くぐる
10. 廃景に鉄塔、「千鶴」は田園にて待つ。
11. ありきたりなさよなら
12. 斜めがけ前線
13. 止まないねって言わないで
14. シオン
<アンコール>
15. 1% / 成人男性三人組
16. M
こびと(お誕生日で蘇生中) @kobito_egasuki
【ライブレポート】囚人姿のウォルピスカーター、ライブで“ハイトーン刑務所”から脱獄を試みるもあえなくお縄に(写真5枚) https://t.co/EAQ26a4iNR