「Playground/校庭」の
本作は、孤立した母子に寄り添おうとする看護師の葛藤と決断を、極限の没入型映像で見据えたヒューマンサスペンス。とある病院の小児科センターに、左腕を骨折して運ばれてきた4歳の男の子アダムが入院した。栄養失調で痩せこけたアダムは発育が遅れ、骨が脆くなっている。移民のシングルマザー、レベッカが彼に適切な食事を与えていないと見なした裁判所は、彼女の面会を制限することに。自らもシングルマザーである看護師長ルシーは、息子と引き離され、親権を失うことを恐れるレベッカに寄り添おうとする。しかしレベッカの軽率な行動、上司や同僚からのプレッシャーによって追い詰められたルシーは、母子を救いたい気持ちと病院が従うべき司法制度との間で板挟みになっていく。
YouTubeで公開された予告編は、栄養失調・養育不能と判断されたアダムとレベッカが引き離される様子や、できる限り2人に寄り添おうとするルシーの姿を収録。ポスターには「守るべきは社会のルールか それとも尊い命か?」とコピーが添えられた。「CLOSE クロース」の
「アダムの原罪」は、6月5日より東京・新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国で順次ロードショー。配給はスターキャットアルバトロス・フィルムが担う。本作をひと足早く鑑賞した映画監督・呉美保、映画監督で作家の森達也、映画作家・想田和弘、ドイツ文学翻訳家・池田香代子らのコメントは下記にまとめた。
映画「アダムの原罪」予告編
呉美保(映画監督)コメント
人の後ろ姿を、どこへ向かうのか、何をしようとしているのか、
固唾を呑みながら追い続ける79分。
誰もがそれぞれの事情を抱えながら、ただ「今」を必死に生きている。
無情な不条理に、思わず叫びたくなる。
前作「Playground/校庭」に続き、ローラ・ワンデル監督の、
極限まで研ぎ澄まされたリアリズムに、圧倒された。
森達也(映画監督 / 作家)コメント
これが監督第二作となるローラ・ワンデルの手法は今回も健在だ。
まさしく映画の極北。あるいはドラマの最終形。
看護をめぐる倫理的コンフリクト。制度と命のジレンマ。
二本の軸が軋みながら向かうラストの解釈も問題提起だ。
想田和弘(映画作家)コメント
デビュー作「Playground/校庭」から、その卓越した描写力、演出力、世界観において、すでに名匠の風格を感じさせたワンデル監督だが、2作目となる本作で、1作目の成功が偶然ではなかったことが証明された。
凄い作家が現れたものだ。
池田香代子(ドイツ文学翻訳家)コメント
カオスのような夜の小児病棟を駆け回る看護師長。
その背中を追う手持ちカメラは、もがく社会を映し出す。
観る者に媚びず、しかし飽きさせない、完成度高い稀有なサスペンス。
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映画ナタリー @eiga_natalie
看護師の葛藤と決断描く「アダムの原罪」予告編、守るべきは社会のルールか尊い命か
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本編を鑑賞した呉美保、森達也、想田和弘、池田香代子ら著名人のコメントも
#アダムの原罪 https://t.co/SZmK64oRVA