第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞したドイツ映画「
本作は4つの異なる時代を生きる4人の少女たちが、北ドイツの農場でそれぞれ体験する不可解な出来事を描いた怪奇譚。1910年代のアルマは、自分と同じ名を持つ幼くして死んだ少女の気配を感じ取る。1940年代の戦争の傷跡が残る中、エリカは片脚を失った叔父への抑えきれない欲望に気づく。1980年代のアンゲリカは常に肌にまとわりつく“何か”の視線におびえていた。そして現代を生きるレンカは家族との移住後、自分の存在が消えてしまいそうな孤独感に蝕まれていく。
本作の率直な感想を尋ねられた長島は「観た直後は圧倒されちゃって……。途中で何回も『逃げたい!』っていう気持ちになりました。昔のことを思い出すというか、あまりにもリアルで苦しくなりました」と言葉を紡ぐ。奥浜は「100年間、さまざまな時代の描写が行ったり来たりしますが、年代の説明は特になく。世代を超えて登場人物たちにどのようなつながりがあるのかもはっきりと明かされないのですが、そこがとてもしっくりきました。人生の記憶は細い糸を編んでいって最終的に大きな布になるわけで。私が80年、90年と生きていたらこういうふうに人生を思い出すのではと考えました」と口にした。
長島は「特に気になったのは、アルマの亡くなったお姉さんの写真です。写真の中のお姉さんはすでに亡くなっていて、その子の服や人形をアルマが受け継いでいる描写がリアルでした。ヨーロッパには、早くに亡くなった子のために(遺体とともに)家族写真を撮る文化があったそうです。あのシーンは完全なフィクションではないんです」と説明。また本作の監督
続いて長島はいくつかの劇中シーンを取り上げ「本作には“不幸に憧れる”描写がいくつか出てきますよね。それは“自分が見られているか”という話に結び付くと思うんです。けがをした人が皆から心配されているのを見てうらやましく思ったり」と述べる。この言葉を受け奥浜は「見る・見られるという構造がたびたび出てきますし、それが主体か客体かという話になっていくので、こういった話題とは切り離せない映画です」と伝えた。また長島は「男女関係なく、体を乱暴に捉えていた時代が描かれています。アルマのお母さんは、子供たちがそういう目に遭うことに対して拒否反応があったのではと思います」とコメントする。
奥浜が「長島さんに本作で使用されたレンズについて伺いたいです。描く時代によってカメラが変わっているような気がしました」と話すと、長島は「すごくきれいに映っているところもありますが、寝ているアルマに寄っていくシーンは小さなビデオカメラで撮っているのではと思いました。いろんなカメラを使っているのが効果的でしたね」とうなずく。最後に長島は「この映画がすごく好きで、ここ数年で観た映画の中でベスト5に入っています。何日も楽しめる映画だと思うし、キーワードや時代背景を調べて楽しんでいただきたいです」と見どころをアピールし、イベントを締めた。
「落下音」は4月3日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。
映画「落下音」予告編
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園木千絵 @5aQAZ19ekz65880
@eiga_natalie あっ(^^)いいね👍️