第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞した「
映画「落下音」とは?
誰かの記憶の深淵に迷い込んでしまったような感覚
試写会の参加者の多くから寄せられたのは、本作の“不穏さ”にまつわる声だ。「社会のどうしようもなさ、死、不安、何かに惹かれる衝動、誰でも経験することを少女たちを通して体験させられる」「二時間半ずっと不穏」「誰かの記憶の深淵に迷い込んでしまったような感覚」「大小異なる不安や心配、様々な人生模様、特に負の面に軸を置いて描かれている」「漠然とした不安や喪失感を胸の奥から引き摺り出されるよう」「恐ろしいのは超常のものではなく、人間の、特にコミュニティの“当たり前の営み”だった」というコメントが届いている。
さらに「子供特有の死生観や正体不明の感情に正面から向き合って、ありのままをそのまま写したような作風」「少女たちの視線が直接訴えて来ているかのような体験でした」「今まで感じた事のないジャンルの恐怖を覚えた」「様々な年代から見る『死』との向き合い方が描かれていると感じた」「オカルト、ゴシックホラー好きにはたまらない格調高い作品」「予告から想像していたものとは異なる、静かで奥深い恐怖だった」「説明されない不安がじわじわと積み重なっていく」という感想も見受けられる。
女性が内に秘めてきたトラウマや傷を描いている
本作では、それぞれの時代を生きる女性たちの内面にフォーカスが当てられる。「女性が内に秘めてきたトラウマや傷を美しく陰鬱に描いた映画だった。同時に、そうした痛みをそっと受容してくれる」「透明化されながらも連綿と受け継がれてしまった女性の歴史を感じた」「女性の生活という目線から語られる歴史の映画だなと思いました」「少女や女性たちの孤独な描写に深く共感です」「女性の生きづらさを描いた映画だと思うけど、男の自分でも共感できることが沢山あって面白かった」「ドイツに限らず人類史にすらアプローチしていると感じた」と歴史的な観点で本作を語る声があった。
絵画のような映像美と、耳に残る音
映像や音響に関する称賛も多い。「絵画のような圧倒的映像美」「1枚の油絵を見つめて、その中の世界に取り込まれているよう」というコメントや、「劇場推奨音響派映画の傑作」「心情をぐっと持っていかれるシーンで鳴る音が色んな意味で耳に残っている」「日常にありふれた音のはずなのにこの映画では畏怖、驚異になる」「五感が研ぎ澄まされてしまうのがわかった」と賛辞が相次ぐ。そのほか「理解するというより“感じ続ける”映画だった」「尺を感じさせない奇妙な引力を持っている」「日常の中で心が落ち込み死を感じる度に、この仄暗い映画を想起する」「過去の記憶や現在の心理状態に応じて噴出する感情が異なる」「2回目を観て解像度を高めたくなる」「ラストシーンは抑圧からの解放の可能性を示唆しているようで救いの様にも感じました」という感想も届いた。
映画「落下音」予告編
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