12月12日からヒューマントラストシネマ渋谷で開催中の「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」にて、スタジオジブリの映画「
第3回目の開催となる本イベントは、カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された最新ラインナップを日本でいち早く紹介するもの。
朝倉はオーディション時のエピソードも披露。「会場には有名無名問わずたくさんの人がいて、あらかじめ渡されていたセリフもワンフレーズぐらい読んで『わかりました』と一瞬で終わってしまいい、目も合わせてもらえなかった。これは落ちたなと思って、駅まで号泣しながら帰りました」と回想する。その後、「この人なら託せるかもしれないと思って選んだ」と聞いたといい、「その言葉を聞くまでは、ずっと疑心暗鬼でした」と胸の内を明かした。
「竹取物語」が日本でどのような存在か問われると、朝倉はイソップ物語を引き合いに出し、「子どもの頃から親しまれているシンプルなおとぎ話だからこそ、大人が楽しめる作品になるのか不安でした」と述懐。一方で現場では高畑から孫のように接してもらったそうで、「声優には優しくて、何を聞いても和やかに答えていただきました。アニメーターの方々にはとても厳しく、なぜ自分の表現したいことがわからないのか、と表現を追及し続けていた印象です」と制作現場の姿を伝えた。
印象的な場面としてレジは、逃げるかぐや姫を描いた疾走シーンを挙げ、「どんどん加速して、鉛筆の線が見えてきて、形も消えかかり、キャラクターの周辺には黒や灰色だけが残る。この映画のハイライト」と称賛。朝倉も共感しつつ「何気ない一瞬一瞬の表情がとても好き」と語り、「衣装にまとわりついてはしゃぐ無邪気なシーンや、宴のシーンで嫌なことを言われて表情が変わるところ、捨丸兄ちゃんを見つけてハッとする瞬間。オーディションでも演じた『高貴な姫君は人ではないのね?』と言うシーンは一番印象に残っています」と思い入れを明かした。
パステル調の色彩表現について朝倉は「高畑さんは『木を植えた男』のフレデリック・バック監督を“師匠”と呼んでいました」と紹介。劇中歌については「歌が苦手で必死に練習しました。ボーカロイドで作曲されていて、『無理な高さじゃないんだけどなあ』と言われるたびに緊張していました」と当時を振り返った。最後に高畑勲の偉大さを問われると、「学者的な探究心の強さ」と答え、「愛とは何か、人はなぜ争うのか、なぜ『竹取物語』は愛されるのかを考え続けていた。その答えに追いつこうと、私たちも必死でした」と締めくくった。
「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」は12月25日まで開催。
Degen Bibee° @DegenBibee
@eiga_natalie オーディションの裏話、泣けるし高畑勲監督の情熱が伝わる話ですね…✨ #ジブリ #朝倉あき