映画「
本作は、スプリングスティーンのアルバム「ネブラスカ」の制作背景をもとに、若きスプリングスティーンの内面の葛藤を静かに描いたもの。上映中は登場人物たちの何気ない会話に観客の笑いが起きるなど、会場全体が深く作品に引き込まれている様子が見て取られ、中でもマネージャーのジョン・ランダウがCBSレコードのの重役に対して「私たちはブルース・スプリングスティーンを信じている」と言い切るシーンでは拍手喝采が湧き起こった。
上映後の舞台挨拶では、クーパー自ら司会を務め、スプリングスティーンとホワイトのほか、
クーパーは「彼は皆さんが想像する以上の存在です。彼がいなければ、私は今ここにいません」とスプリングスティーンを紹介し、続けてホワイトを呼び込みながら「初めて彼に会ったとき、私はこう言いました。『神話や象徴を剥ぎ取ろう。ブルース・スプリングスティーンという名を持つ1人の男を演じる。苦しむ男だ。だが我々が描くのは人間性、優雅さ、謙虚さ。そしてジュリアード音楽院では教えられないあの風格だ』」と語る。そしてスプリングスティーンと熱いハグを交わし「率直に言って、今この瞬間は予想外だ。結婚や娘たちの誕生に次ぐ、人生でもっとも胸躍る夜の1つです。ブルース・スプリングスティーンに感謝を伝えたい。君を愛しているぜ、兄弟」と謝意を伝えたのち、スプリングスティーンにステージを譲った。
ギター1本を携えてステージに立ったスプリングスティーンは、穏やかな声で観客に語りかける。「最近、自分たちが今、こういった極めて危険な時代を生きているという事実を、日々の出来事が、私たちに思い出させてくれます。私はこれまでずっと、いわばアメリカの音楽大使として世界中を旅してきました。しばしば私たちが理想からかけ離れているというアメリカの現実との距離を測ろうとしてきたのです」「しかし、多くの人にとって、アメリカは恐怖や分断、政府の検閲や憎悪の国ではなく、希望と夢の国であり続けているのです」と力強く述べると、サプライズで「Land of Hope and Dreams」を歌唱。会場は熱狂に包まれ、割れんばかりの歓声と拍手が響いた。
「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」は、11月14日より全国ロードショー。
ブルース・スプリングスティーン コメント原文
These days we have daily events reminding us of the fact that we're living through these particularly dangerous times. I spent my life on the road, moving around the world as kind of a musical ambassador for America, you know... trying to measure the distance between American reality, where we've often fallen short of our ideals,” Springsteen said. “But for a lot of folks out there, she continues to be a land of hope and dreams, not of fear or divisiveness or government censorship or hatred.
楠野一郎(プロペラ犬) @kusunopropeller
スプリングスティーンの伝説的初来日ライブを体験して震えた身として期待してる。国への激しい怒りと複雑な想いを表明したのに発売時から誤解されがちだった「ボーン・イン・ザ・USA」に向かう直前の彼を描いてるらしく。トランプに真っ向から対峙している今、本国でどんな反応なのかも気になる https://t.co/P9z1BqUg9C