ハリウッド映画とは異なる視点から黒人コミュニティの日常を描いてきた映画作家
バーネットは1944年にミシシッピ州で生まれ、ロサンゼルスのワッツ地区で育つ。1960年代末、UCLA芸術学部で映画制作を学び、アフリカ系アメリカ人を中心とする学生仲間たちとともに、ステレオタイプな黒人像に対して新しい視点を提示する作品を制作。この流れはのちに「L.A. Rebellion(L.A.リベリオン)」と呼ばれる。2017年の第89回アカデミー賞では名誉賞を受賞。バリー・ジェンキンスやエイヴァ・デュヴァーネイ、ショーン・ベイカーら現代の映画作家にも大きな影響を与えている。
「キラー・オブ・シープ」は、1977年に制作された長編デビュー作。ロサンゼルス・ワッツ地区を舞台に、屠殺場で働く男性とその家族の日常が詩的に描かれる。1981年の第31回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞したものの、音楽権利の問題により長らく商業公開されず“幻の映画”と呼ばれた。今回の4K修復版では、バーネットが当初使用を望んでいたダイナ・ワシントンの「Unforgettable」がラストシーンに使用されている。
「マイ・ブラザーズ・ウェディング」は、成功した兄とその裕福な婚約者に劣等感を抱く青年が、刑務所から戻った親友との再会を機に、家族への責任と友情の間で揺れ動く姿を描いた人間ドラマ。1984年の制作当時は編集権をめぐるトラブルから、115分の未完成版がプレミア上映されるにとどまっていたが、2007年にバーネット自ら再編集を行い、82分のディレクターズカットが完成した。
特集上映「チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース」概要
上映劇場
東京都 シアター・イメージフォーラム ほか全国順次公開予定
公開日
2026年2月
上映作品
- キラー・オブ・シープ
- マイ・ブラザーズ・ウェディング(ディレクターズカット版)
※いずれも4Kデジタル修復版
チャールズ・バーネットの映画作品
関連人物
映画ナタリー @eiga_natalie
チャールズ・バーネット初期代表作の4K修復版が初公開、黒人コミュニティのリアルを描く
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🎞️「キラー・オブ・シープ」
🎞️「マイ・ブラザーズ・ウェディング」
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