上映イベント「奥山由之オールナイト」が9月26日に東京・テアトル新宿で開催。「
2024年11月に公開された「アット・ザ・ベンチ」は、二子玉川の川沿いに佇む古ぼけたベンチを舞台に、人々の何気ない日常を切り取った自主制作のオムニバス長編。広瀬と仲野は
出演オファー時について、仲野は「奥山くんから『何人かの脚本家の方と一緒に、1つのベンチを舞台にやりたい』という話を聞いて。『広瀬さんにお願いしたいと思ってて、選手(奥山による仲野の呼び名)にも出てほしい』と言われました」と振り返る。奥山が「“僕がご一緒したい方と映画を作ります”、“でも映画を作ったことはないです”という、企画としてあまりに見通しが立っていない中でよく出てくれましたよね」と話すと、広瀬は「それは奥山さんだからじゃない? 10年以上一緒にお仕事をしてきて、奥山さんの撮る写真や映像が好きだったから、映画とどんな化学反応を起こすのか興味しかなかった」と伝えた。
撮影時の話題では、仲野が「我々の前にカメラがなくて、全部後ろから撮ってたよね」と述懐し、広瀬も「あれは新鮮だった。目線の中にカメラがないと、陽の明るさが変わっていく様子や、時間の流れ方にも(芝居をしながら)触れられるものなんだ!って感動した」と語る。また仲野は奥山を「写真家としての姿と、友人としての姿しか知らなかったけど、監督として演出している姿に全然違和感がなくて。すごく堂々と導いて我々の芝居を引き出してくれたので、とってもやりやすい環境だった」とたたえた。一方、広瀬は「1回目の本読みのときに『自主映画だからあんまりテイクは重ねられない』ってお金の話をされたよね。あそこで一気に緊張感が(笑)」と回想。奥山は「(16mmの)フィルム代がなかなか……。初監督作品でキャストにフィルム代の話をしたのは2人への安心感と甘えだな」と反省していた。
第1編と第5編の撮影が約1年空いたことについて、奥山は「約1年ぶりに役を戻すのは難しくなかったですか?」と質問。広瀬が「お芝居した、っていう感覚があんまりなかったし、かなり自分に近い状態だったので、私は“戻す”っていう感覚はなかったです」と回答する。仲野も同意し「生方さんがあて書きで書いてくださったのもあると思うし、どこまでも自然体でいられたんですよね。きっと、また(演じる機会が)あってもいつでも戻れる気がする」と口にした。
奥山は「映画を観ているとき、人間特有の無意識に出る表情や体の動きなど、“予定調和じゃないもの”が映っていると、人間がちゃんと息付いている感覚があるし、予期しないことが起こるんじゃないか、とぐっと集中して観てしまうんです。つまり、役柄に100%入ってもらうより、その人自身が持っている癖とか発話のよどみがあったほうが映画として見入ってしまう」と自身の見解を示し、「でもそういう演出を伝えるとき、最初はすっごく緊張した」と吐露。広瀬は「何かしなきゃ、と役の情報量を勝手に増やしちゃうこともあるけど、この現場はただ座っているだけでも許される空気感だった」と伝え、仲野は「広瀬さんと一緒に芝居をしながら、目線のやり取りで影響し合う感じとか、そういう細かいところも奥山組の皆さんは拾って切り取ってくれるだろうと。そのままでいることで映画に昇華してくれる安心感があって心地よかった」と述べた。
最後に3人は「今日は朝6時まで楽しんでください!」と観客に呼びかけ、トークイベントは終了。この日は「アット・ザ・ベンチ」のほか、奥山がセレクトした「みんなのヴァカンス」「人生はビギナーズ」と、彼が監督したMV・CMセレクションが上映された。
なお奥山が監督、松村北斗が主演を務めた「
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