細田守の新作「果てしなきスカーレット」芦田愛菜が復讐に燃える王女役、岡田将生と旅へ

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細田守が監督・脚本・原作を担う長編アニメーション「果てしなきスカーレット」。同作で芦田愛菜が主演を務め、岡田将生も参加したとわかった。2人は2020年公開の映画「星の子」以来の共演で、ともに細田作品への出演は初めて。

「果てしなきスカーレット」より、スカーレット役の芦田愛菜(左)、聖役の岡田将生(右)

「果てしなきスカーレット」より、スカーレット役の芦田愛菜(左)、聖役の岡田将生(右)

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「果てしなきスカーレット」ポスタービジュアル

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同作の物語は、とある国の王だった父を殺された王女スカーレットが、その復讐に失敗して“死者の国”で目を覚ますことから展開していく。宿敵に復讐を果たし“見果てぬ場所”にたどり着かなければ、<虚無>となり存在が消える死者の国で、生きる道を見出すため冒険をする姿が描かれる。

芦田は、果てしなき復讐劇に身を投じる主人公・スカーレットに声を当てた。もともとは平和を望む父を尊敬する心優しき王女だったが、目の前で親を殺されたことで、復讐に取り憑かれていくキャラクター。感情の起伏が激しく、繊細さも求められる難しい役どころだという。

収録当時19歳だった芦田は、子供時代と19歳のスカーレットを豊かな声色で演じ分けた。本人は「監督から『現代の19歳と中世を生きる19歳は違う。一国の王女としての自覚や覚悟がある感じがほしい』と言葉をいただき、ジャンヌダルクやエリザベス1世など、動乱の世を生きた女性たちのことを調べ、少しずつ役作りしました」と振り返り、「復讐に燃えて狂気的に見える部分もありますが、そうせざるを得ない状況を思うと、愛おしく、まっすぐ駆けていく姿は、観てくださる方々も応援したいと思ってもらえるのではないかと思います」とファンに呼びかける。

そして岡田は、現代の日本から“死者の国”に来て、スカーレットとともに旅をする心優しい看護師・聖(ひじり)役を担う。聖は、ボロボロに傷ついたスカーレットになんの見返りも望まずに手を差し伸べる人物。なぜ自分が“死者の国”に迷い込んだのかわからないまま、彼女の冒険を支えていく。

長編アニメーションに初めて出演する岡田は「声だけでの表現はとても難しく、感情がこんなにも伝わりづらくなることを今回初めて知りました。色々なアニメを観させてもらっていますが、声優さんのすごさを改めて実感しています」と率直な思いを伝える。さらに「復讐に燃えるスカーレットの鞘(さや)のような存在となれるよう、彼女の支え方や寄り添い方、聖の優しさや誠実さを伝えられるようにキャラクター像を作っていきました」と役作りに言及した。

「果てしなきスカーレット」より、スカーレット役の芦田愛菜(手前)、聖役の岡田将生(奥)

「果てしなきスカーレット」より、スカーレット役の芦田愛菜(手前)、聖役の岡田将生(奥)[拡大]

今作は、細田作品では初めてプレスコ(プレスコアリング)という手法が取られた。これはまだ映像ができていない段階でキャストの声を先に収録し、その声に対してアニメーションを制作していくもの。芦田と岡田は1年前にそれぞれプレスコを行い、このたび2人そろってアフレコに臨んだ。芦田は「2人一緒に演じさせていただけて、聖とスカーレットの対比がとても演じやすかったです。一緒にアフレコができてよかったなと思っています」、岡田は「今回の経験は僕にとってすごく大きいことで、大好きな細田監督とご一緒できて良かったと実感しています」と感想を述べた。

なお細田は、芦田について「スカーレットをここまで表現できたのは芦田さんのおかげです。凄まじい演技の連続で、なんと素晴らしい俳優なんだ、と収録中、何度も驚きました」とコメントする。岡田に関しては「演技が上手くて誠実で、でも謙虚で控えめな方でもある。“聖ってこういう人かもな”と、聖の人物像を、岡田さんを通して理解したような感覚がありました」とつづった。

「果てしなきスカーレット」は11月21日より全国ロードショー。12月12日にはアメリカで劇場公開される。

映画作品情報

芦田愛菜 コメント

スカーレットは、中世の王女で私と同世代の19歳という設定ですが、根底にあるものや価値観が違う部分がたくさんあり、演じることがとても難しかったです。
監督から「現代の19歳と中世を生きる19歳は違う。一国の王女としての自覚や覚悟がある感じがほしい」と言葉をいただき、ジャンヌダルクやエリザベス1世など、動乱の世を生きた女性たちのことを調べ、少しずつ役作りしました。“復讐”とはどのような気持ちなのか、きっと大きな声を出さないと立ち向かっていけないだろうと想像しながら演じました。叫ぶシーンでは、少し戸惑いもありましたが、全力でやってみて“これだ!”と吹っ切れた瞬間があり、どんどん役が体に馴染む感覚がありました。
スカーレットは、復讐に燃えて狂気的に見える部分もありますが、そうせざるを得ない状況を思うと、愛おしく、まっすぐ駆けていく姿は、観てくださる方々も応援したいと思ってもらえるのではないかと思います。
混沌とした世界の中で一生懸命に生きようとする人々が描かれた作品ですが、それは現代世界にも通じる部分があり、また、苦しいことや絶望してしまうことがたくさんある中、それでも一生懸命前を向いて生きようとする人々に、いち観客として心打たれました。そのような明日への希望を感じていただける作品になっているのではないかと思います。

岡田将生 コメント

長編アニメの声優に初めて挑戦しましたが、声だけでの表現はとても難しく、感情がこんなにも伝わりづらくなることを今回初めて知りました。色々なアニメを観させてもらっていますが、声優さんのすごさを改めて実感しています。
僕が演じた聖は、困っている人たちに何の見返りもなく手を差し伸べるような人で、簡単に言うととても理想主義者です。復讐に燃えるスカーレットの鞘(さや)のような存在となれるよう、彼女の支え方や寄り添い方、聖の優しさや誠実さを伝えられるようにキャラクター像を作っていきました。スカーレットから反発されるシーンもありますが、今この世界でとても必要な人だと思います。スカーレットが抱えている問題や彼女が導き出す答えを、皆さんも彼女とストーリーに沿って考えながら、聖を通して、優しさや人に対して誠実さを求めてはいけないのか、求めるべきなのか…感じ取っていただけたら嬉しいです。
細田監督の作品をいつも楽しみにしていましたが、自分がその内側に入れてもらえたことは嬉しくもあり、不思議な感覚です。正直、まったく内容を知らないまま、映画館で観たかった…と思ってしまう“細田作品ファンな自分”もいます。
いちファンとして作品が完成するのを楽しみにしています。皆さんも是非、楽しみにお待ちください。

細田守 コメント

芦田愛菜について

スカーレットをここまで表現できたのは芦田さんのおかげです。凄まじい演技の連続で、なんと素晴らしい俳優なんだ、と収録中、何度も驚きました。復讐に取り憑かれた中世の王女に、芦田さんは全身全霊で憑依しています。彼女の可愛らしい外見からはとても想像できないほど、本番中は迫力に満ちています。圧倒的な狂気と、身悶えするほどの葛藤、そしてその奥に隠れた清らかな人間性が、十二分に表現されています。芦田さんのお芝居は、この映画の大きな見どころのひとつです。

岡田将生について

演技が上手くて誠実で、でも謙虚で控えめな方でもある。“聖ってこういう人かもな”と、聖の人物像を、岡田さんを通して理解したような感覚がありました。聖は、命に関して真摯に向かっていく能動的な力もあれば、スカーレットのように復讐という怒りと狂気を持った人物にそっと寄り沿って慰める優しさもある。この両面性は、岡田さんご本人の人間性とも通じるものがある、と感じます。役と俳優がぴったり噛み合っている、と強く思わせられました。

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