長編アニメーション「
本作は、父の復讐に失敗した王女スカーレットが、“死者の国”で再び宿敵に復讐を果たそうとする物語。主人公のスカーレットに芦田、スカーレットと旅をする現代の日本からやって来た青年・聖に岡田が声を当てた。
今年のヴェネツィア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門、トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門、ニューヨーク国際映画祭のスポットライト部門にも選出され、各国で高い注目を集めている本作。芦田は「声を吹き込むというより、魂を吹き込む気持ちで向き合った作品でした」とコメントし、細田・岡田とともに参加したヴェネツィア国際映画祭については「私自身すごく憧れの街で、温かく受け入れてくださったのがうれしかったです。映画を観たあとの皆さんの笑顔が忘れられません」と伝える。
長編アニメーションに初めて出演した岡田は「監督が一から教えてくれて、聖という役をともに作り上げた」とアフレコ時を振り返り、ヴェネツィア国際映画祭に関しては「一度は行ってみたい場所でしたし、芦田さんと一緒にゴンドラに乗らせてもらったり、たくさんいい思い出があります」とほほえむ。細田は「芸術性の高い作品を集める映画祭だと聞いていたので、そこに招待されたのはうれしかった。(本作のベースになっている)シェイクスピアの戯曲『ハムレット』は、日本ではどちらかというと格調高いもの。海外の方にはより普遍的なものとして受け入れられたのかなとも感じました」と語った。
細田の監督作に参加するのは4回目となる染谷は、スカーレットが復讐を誓う叔父クローディアスの家来・ギルデンスターン役で出演。彼は「この作品はすべての人が当事者であり関係者なんじゃないかと思いました。心を打たれましたし、地続きでこの世の未来につながっていると感じます。世界中の人に観てほしい」と呼びかける。スカーレットが“死者の国”で見た夢に現れる墓掘り人に声を当てた宮野は「これまで声優として本当にいろんな(アニメーションの)映像を観てきましたが、それでもまだ観たことのない表現があるんだ!と驚かされました。技術の向上をあきらめない監督の胆力がこの作品において重要だったと思っています」と熱弁した。
クローディアスの側近・ヴォルティマンドを演じた吉田は「この映画を(試写で)観てから今までずっと、静謐な感動が続いています。人が人を許すこと、殺してはいけないこと、復讐してはいけないことが絶対的なテーマ。それがまったく解決されていないこの世界に、真っ向から切り込んだ細田監督の勇気に心からエールを送りたいと思います」と言葉を紡ぐ。スカーレットの母・ガートルード役の斉藤は「完成した作品を観て、突き抜ける、立ち向かう、まっすぐな強さが美しく表出されていると感じました。とにかく大きな画面で、拡張していく世界を体験していただきたいです」と力強く訴えた。またクローディアスの側近・コーネリウス役の松重は「20代の頃に蜷川幸雄の劇団に入ったとき、蜷川さんは『ハムレット』を『そのときの時代を映す鏡だ』とおっしゃっていたんです。その通り、今回の作品も本当に生き生きと息付いていますので、ぜひ皆さんにも立ち会っていただければと思います」と述べた。
「果てしなきスカーレット」は11月21日より全国ロードショー。12月12日にはアメリカでも劇場公開され、その後全世界で順次上映される。
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