映画「
最初にマイクを握った渡部は「こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です」とゆっくりと挨拶して観客を和ませる。映画の感想を尋ねられると「当時はいかに武力を全面に出した時代であったのか。そしてそこに従軍するカメラマンが、いかに自分自身の命を差し出すような撮影法を余儀なくされる時代であったのかを強く感じました」「当時のカメラはかなり大きくて、前線では撮影していることが目立ってしまう。戦場でカメラマンが目立つというのは、命を落とすことに直結するんです。当時の戦場報道の背景が、作品の中ににじみ出ていました」と熱を込めながら話した。
写真が好きで、カメラマンの友達もいるLiLiCoは「戦争や紛争は、その場で何が起こっているのか、本当のところは写真がないとわからないですよね。この物語を伝えたかったケイトの気持ちがわかります」とコメント。そして「ケイトは自分の“声”を持っている俳優。出演作はテーマのあるものが多いですし、自分でやりたいことをしっかりと選んでいるところが、リー・ミラーさんと似ている気がします」とウィンスレットとミラーの共通点に触れ、「教育的にも素晴らしい作品でした。映画からこんなにたくさんのことを学べるんだと感じましたし、歴史を知ることはすごく大切なので、みんなにも知ってほしい!」とも述べた。
ミラーの写真に関して、渡部は「カメラマンとして惹きつけられる撮り方、色合い、構図。ハッとさせられることが多かったです。現代のカメラマンにとって、彼女の写真集は一番のテキストになるかもしれない」と言及し、LiLiCoも「切り取るセンスって大事ですよね」とうなずく。さらに渡部は「現代のデジタルカメラは撮り放題ですが、フィルムは限られた枚数しか撮影できない。ここだという場面でシャッターを切る“一撮入魂”がカメラマンとして大事な心なんです。リー・ミラーさんも緊張感と恐怖、喜びを持っていたと思います」と続けた。
なお2人は会うのは久しぶりだが、昔は仕事をともにする機会が多かったそう。渡部は「うちの子は、LiLiCoさんと出会ったときは0歳の赤ちゃんでしたが、今は中学生です。携帯でビシバシ写真を撮っていますし、フィルムではないので連写もしています」と伝えると、LiLiCoは「時間の流れ……!」と驚きつつ笑顔を見せた。
イベント終盤には、ヒトラーの浴室で撮られた写真の話題に。同カットは80年前の4月30日に切り取られたもので、劇中でその場を再現したシーンはポスタービジュアルにも使われた。緊張感たっぷりの同場面についてLiLiCoは「伝えるためにシャッターを押さねばならない、という彼女の思いが感じられました」と振り返る。渡部は「実際は、カメラマンは常に撮影する側で、自分自身が写ることはほとんどないんです。(モデル経験がある)リー・ミラーさんは色合いや構図、そして自分が被写体になることなど、すべてを理解してコントロールしながらこの写真を残した。写真家としての力が全面に出た1枚でした」と称賛した。
「リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界」は、5月9日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国でロードショー。
はと @810ibara
本当に本当にいいイベントでした!そして言って良かったらしい今日の試写会はナタリーが当ててくれました!LiLiCoさんが女性として道を切り拓いていた話も、渡部さんが戦場カメラマンの今昔を実地から語ってくれたのも、司会の奥浜さんが今とつながる話を差し込んでくれたのも全部良かった!!!! https://t.co/iXafSMCXHZ