子供とともに性の多様性から自分を考える、田中一歩を捉えた映画11月公開

セクシュアルマイノリティとされている子供たち、そしてすべての子供たちに「じぶん、まる！」を届ける活動を行っている田中一歩の言葉と表情を捉え続けた映画「じぶん、まる！ いっぽのはなし」が11月8日より、東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開。田中が手がけたイラストを使用したポスタービジュアルが到着した。

小さな頃からセクシュアリティに悩んできた田中は、学校や民間団体で、子供たちと性の多様性から自分を考える出前講座「『じぶんをいきるためのるーる。』を子どもたちに届けよう！」を行ってきた。4歳児以上を対象に絵本やイラストを使用して行う同講座は7年間で実施回数約1000回を超え、その輪はますます広がりを見せている。本作では、そんな活動と生き方に共鳴した映画作家・崟利子（たかしとしこ）が1台のカメラを田中の目の前に据え、その言葉と表情を捉え続けた。撮影を「セノーテ」「Underground アンダーグラウンド」などで知られる小田香が担当。音楽は京都を拠点に活動するデュオ・ふちがみとふなとが担った。

田中と20年来の友人である崟は「自らのセクシュアリティに関して悩み、葛藤していた若いいっぽさんが、性の多様性をこどもたちに伝える活動をパートナーと始めてから、どんどん力強く優しいおとなに成長していく様は、私を魅了しました」と述べ、「以前から、私は一人の人物がずっと話続ける、という映画を作りたいと思っていました。いまだから撮れる、いま作らなくてはという時期に、まずいっぽさんに話してもらうことから映画はスタートしました」「いっぽさんの言葉が、観客のひとりひとりのこころに届きますように」と願いを込めた。

本作の公開を記念し、ポレポレ東中野で崟の特集上映も開催。「西天下茶屋・おおいし荘」「春節祭」「伊丹シリーズ」「クロベニグンジョウシロレモン」などがスクリーンにかけられる予定だ。なお、風景の中に存在する時間や記憶を撮り続けてきた崟にとって「じぶん、まる！ いっぽのはなし」が初の劇場公開作品となる。

いま発見する！「映画作家・崟利子特集」@ポレポレ東中野

2025年11月8日（土）～14日（金） 東京都 ポレポレ東中野

＜上映予定作品＞

• 西天下茶屋・おおいし荘
• 春節祭
• 伊丹シリーズ
• クロベニグンジョウシロレモン

「Blessed ─祝福─ 」一夜限りの上映＠space&cafe ポレポレ坐

2025年10月30日（木） 東京都 Space & Cafe ポレポレ坐
開場 18:30 / 開映 19:00

崟利子（たかしとしこ）コメント

田中一歩さんとは、近くに住む隣人として知り合ってから、もう20年来の友人です。
自らのセクシュアリティに関して悩み、葛藤していた若いいっぽさんが、性の多様性をこどもたちに伝える活動をパートナーと始めてから、どんどん力強く優しいおとなに成長していく様は、私を魅了しました。
その活動やいっぽさん自身を映画にして伝えたいと思ってはみたものの、親しい友人をどのように撮ればいいのか模索しているうちに数年が経ちました。

以前から、私は一人の人物がずっと話続ける、という映画を作りたいと思っていました。
いまだから撮れる、いま作らなくてはという時期に、まずいっぽさんに話してもらうことから映画はスタートしました。

私はほとんど一人で作品を作る個人映画作家ですが、今回は撮影を小田香さん、録音をウエヤマトモコさんにお願いし、制作スタッフに3人が加わりました。
友人として聴いていた声、姿は、他の人の技術や感性が関わることによって景色が広がり、新しい発見ができたことを、私自身も一歩さんも感じています。

いっぽさんの言葉が、観客のひとりひとりのこころに届きますように。