細田守・押山清高らが「Flow」を称賛「命のきらめきと尊厳を見る」、本予告も解禁

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第97回アカデミー賞で国際長編映画賞と長編アニメーション賞部門にノミネートされている「Flow」の日本版本予告がYouTubeで解禁。細田守押山清高斎藤工ら著名人のコメントも到着した。

「Flow」場面写真

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「Flow」ポスタービジュアル

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洪水にのまれつつある世界を舞台とする本作は、自分の居場所を捨てて旅立つ1匹の猫が仲間と困難を乗り越え、少しずつ友情を育む物語。「Away」を手がけたギンツ・ジルバロディスが監督を務めた。第52回アニー賞では長編インディペンデント作品賞、脚本賞を受賞している。

「Flow」場面写真

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このたび公開された映像には、ともに旅をする動物たちと猫の出会いのシーンや、猫がボートから飛び込んだ水中で漂う姿などが映し出される。本編をひと足先に鑑賞した細田は「物言わぬ動物たちが危機に瀕して奮闘するスリリングな逞しい姿に、命のきらめきと尊厳を見る」、押山は「映画は、観る人を乗せる小舟だ。猫に化けたギンツ監督の視点で、どこか人間社会を見ているような没入感がある」と語った。

「Flow」場面写真

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斎藤は「言語や国籍を超え、全ての人類に捧げられたギンツ監督からの美しく愛らしくも鋭利なラブレター」とつづる。そのほか藤本タツキ小島秀夫ヒグチユウコ吉浦康裕久野遥子浅野いにおloundraw、アルトゥル、ぬまがさワタリ、伊藤さとりのコメントは下部に掲載した。

「Flow」は3月14日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

映画作品情報

映画「Flow」日本版本予告

細田守(アニメーション映画監督)コメント

物言わぬ動物たちが危機に瀕して奮闘するスリリングな逞しい姿に、命のきらめきと尊厳を見る。その瞳に込められた音なき言葉を、息を殺して聴け。

押山清高(アニメーション監督)コメント

映画は、観る人を乗せる小舟だ。
猫に化けたギンツ監督の視点で、どこか人間社会を見ているような没入感がある。
それが、愛らしい動物達の姿で描かれるから、人間は未熟でか弱く健気で、そして、大きな流れの中で色鮮やかに生かされている事に気づかされるのだ。

藤本タツキ(マンガ家)コメント

多分クリエイターなら皆
ずっとこういう作品を作りたかったと思います。
少なくとも僕は思っていました。
言葉が少なく、でもエモーショナルな物語はちゃんとあるものに憧れがありましたが
「Flow」はその100点みたいな作品でした。
見ている途中ずっとこれを作りたかったという気持ちと、猫達に早くゴハンを食べさせてあげて!と
夢中で見ていました。

斎藤工(俳優 / 映画監督)コメント

孤独、孤立、分断、差別、飢餓、天災、我々人間界の様々な問題が、人間の居なくなった世界の、動物やあらゆる生命体のあり方がその答えをくれる。
言語や国籍を超え、全ての人類に捧げられたギンツ監督からの美しく愛らしくも鋭利なラブレター。

小島秀夫(ゲームクリエイター)コメント

これがアニメとCG映画の流れ(FLOW)が辿り着く、ひとつの到達点だ。動物たちは擬人化されず、台詞もない。ところが、芸術的で、哲学的で、どこまでも社会派なのだ。ただの客寄せ動物映画と侮ってはいけない。本作は、21世紀に流され、漂流する我々人類のFlowchart(フローチャート)そのものだ。

ヒグチユウコ(画家)コメント

成猫になるまえの少し小柄な猫。彼の目に映る雄大な自然。そして天災。
美しい不思議なこの映画は勧善懲悪でもなく
共に方舟に乗って鑑賞している私をうっとりとした世界に導いてくれました。

吉浦康裕(アニメーション監督)コメント

美しく描き出されたポストアポカリプスな世界を旅するネコチャンたち……をひたすらカメラで追い続ける85分間。ただそれだけなのに、最後の最後まで目が離せない!
映画「Flow」は、想像により描き出された世界やキャラクターが確かにそこに存在するという根源的な楽しさに満ちた快作です。

久野遥子(アニメーション作家 / 映画監督)コメント

なんて大きい世界なんだろう。
猫の目を通せばウサギだって大きいくらいなのに、こんなに巨大で美しい世界が変貌を止めないことが恐ろしい。
崩れゆく世界で人間なんかじゃ到底辿り着けないようなところまで連れ去られる。猫はそんなつもりはないよと言うかもしれないけど。

浅野いにお(マンガ家)コメント

息を呑む美麗な水の表現に畏れを抱き、やがて波のように押し寄せてくる感情に圧倒される。言葉がないからこそ伝わるものがあり、私たちはそれを掬い取らなければならない。日常の中で忘れかけていた「生命」を感じる映画です。

loundraw(イラストレーター / アニメーション監督)コメント

私たちも、予期せぬ冒険の最中にいるのかもしれません。
正しい方角もわからず、けれど常にどこかへと向かっている。
そうしてやがて、自分が何者かを知っていきます。
これは猫の物語ですが、大いなる流れの中にいる人間として、創作者として、
この作品がくれた世界を大切にしたいと思います。

アルトゥル(日本推しラトビア人)コメント

映像の美しさ、動物たちのリアルな動きの再現にはもちろん、主人公の猫や他の動物たちの鳴き声、仕草、表情だけで個性や感情がリアルに伝わってくる、その表現力に驚かされました。恐怖や物欲等を抱えた主人公達が成長する姿を言葉を一切使わず伝えられる、素晴らしい作品です。

ぬまがさワタリ(いきものクリエイター)コメント

都合のよい擬人化を極限まで廃し、それでいて愛らしくユーモラスに、生命みなぎる動物たちの冒険を活写する。気候危機や絶滅といった恐るべき「現実(リアル)」が迫る今、本作のように現実の動物や自然への想像力を飛躍させる、新時代のファンタジーアニメが必要だ。

伊藤さとり(映画パーソナリティ / 映画評論家)コメント

絵画のようで可愛らしい。
アニメなのに本物の動きで、手に取るように感情が分かる摩訶不思議。
観たら間違いなくもう一度体験したくなる世界への冒険だった。
なんなのだろうこのトキメキは。
言うなれば、アニメの枠からはみ出る芸術体験に、ずっと夢中という感覚かもしれない。

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©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.

読者の反応

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映画ナタリー @eiga_natalie

オスカー2部門ノミネート🏆
長編アニメーション「Flow」本予告解禁

✍️称賛コメントも到着
細田守、押山清高、藤本タツキ、斎藤工
小島秀夫、ヒグチユウコ、吉浦康裕、久野遥子
浅野いにお、loundraw ほか

🔻詳細はこちら
https://t.co/OnaWa6O4oV

#Flow #ギンツ・ジルバロディス https://t.co/wMDg5Xol6A

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ギンツ・ジルバロディスの映画作品

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