「Flow」猫を主人公にした理由とは、監督ギンツ・ジルバロディスが明かす

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第97回アカデミー賞の国際長編映画賞と長編アニメーション賞部門にノミネートされている映画「Flow」。このたび監督を務めたラトビア出身のクリエイター、ギンツ・ジルバロディスのコメントが到着した。

「Flow」場面カット

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「Flow」ポスタービジュアル

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洪水にのまれつつある世界を舞台とする本作は、ある1匹の猫が自分の居場所を捨てて旅立つ物語。ジルバロディスは自然、広大な風景、そして動物が物語の重要な要素を担う本作の制作経緯について「昔から自然の中にいるのが好きでした。10代で猫を飼い、のちに犬を飼うようになったことが私にインスピレーションを与えてくれました。このような設定が私の映画で繰り返し出てくる理由は、映画制作には長い時間がかかるので自分にとって心地よい場所を舞台にしたいからです」と語る。

「Flow」場面カット

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「Flow」場面カット

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本作には主人公の猫をはじめ、犬やキツネザル、ヘビクイワシ、カピバラといったさまざまな動物が登場する。ジルバロディスは猫を主軸にした理由を「猫はとても自立していて、他の動物と一緒にいたがりません。単純で教訓的な考えに基づく映画にはしたくなかったので、正反対の旅を辿る犬のキャラクターでバランスを取ることにしました。すべての動物の性格は、社会対個人という考えに結びついています」と述懐した。

ギンツ・ジルバロディス (c)Kristaps Kalns

ギンツ・ジルバロディス (c)Kristaps Kalns[拡大]

また「Flow」のタイトルにはロードムービー的な側面が表現されている。ジルバロディスはその意図について「物語は主に、絶えず前進するボートの中で展開されます。またキャラクターたちのゴールのような、明確な終着点があることも重要でした。それに恐怖から逃れるために常に塔に登ろうとする猫を描くことで、全編に緊迫感を持たせたかった」と明かす。

ジルバロディスは、尊敬している映画人の1人として日本のアニメ監督・宮崎駿の名を挙げる。「彼の映画の予測不能なところが好きです。彼は映画を作り始める時、物語の結末さえ決めておらず、創作していく過程でそれを見つけるそうですが、私もそうです。過程はまったく同じではありませんが、脚本が完成したあとも物語が発展し続けます。最初のシーンに取りかかり、それを作りながらどんな映画になるか見つけていくのです」と言及した。

「Flow」は3月14日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

※宮崎駿の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

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©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.

読者の反応

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takao @takao_silver

「Flow」、公開を楽しみにしています🐈‍⬛☺️

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