映画監督
旧約聖書の十戒をモチーフに、1980年代のポーランド・ワルシャワの団地で暮らす人々の愛と弱さを描いた10編の連作集「デカローグ」。このたび5つのプログラムに分けて舞台化され、4月から7月にかけて上演中だ。
最終章となるプログラムD・E「デカローグ7~10」では、
プログラムDの7話「ある告白に関する物語」は、国語教師と女子高生の娘の間に生まれた子供を、ひそかに自分の子供として育ててきた母親の真実に迫る物語。16歳で娘を出産した主人公マイカ役の吉田は「デカローグ7は母と娘の物語です。少し癖のあるキャラクター達が起こす行動は理解し難いこともあると思います。ただ、私達人間なら誰しもが持っている内なるものは、きっと似たようなものなのかもしれないと日々稽古を通して気付くことができました」とつづった。国語教師ヴォイテク役で
同じくプログラムDの8話「ある過去に関する物語」では、倫理学を教える大学教授とその聴講生の間に隠された、第2次大戦にまつわる過去が暴かれる。大学教授ゾフィア役の
プログラムEの9話「ある孤独に関する物語」では、性的不能と宣告された夫が妻に事実を告げ、妻は夫を励ますも実は若い恋人がいて……という人間関係が描かれる。主人公ロマン役の
同じくプログラムEの10話「ある希望に関する物語」では、父の死により再会した兄弟が、切手コレクターだった父が遺したコレクションによって予期せぬ事件に巻き込まれていく。パンクロックグループのリーダーである弟アルトゥル役の
プログラムD・Eのキャストによるコメント全文は以下に掲載した。公演は7月15日まで。チケットは各プレイガイドなどで販売中。
プログラムD「デカローグ7 ある告白に関する物語」
吉田美月喜 コメント
いよいよ新国立劇場の舞台「デカローグ」最後のシーズンが始まりました。
今までのデカローグ1~6の方々が繋げてきたバトンからはとても大きな重みを感じています。
私の出演するデカローグ7は母と娘の物語です。少し癖のあるキャラクター達が起こす行動は理解し難いこともあると思います。
ただ、私達人間なら誰しもが持っている内なるものは、きっと似たようなものなのかもしれないと日々稽古を通して気付くことができました。
皆様がどう感じてくださったか、感想を楽しみにしながら最後まで頑張りたいと思います。
章平 コメント
大事に温めてきたこの作品がようやく皆様に観てもらえたことで一つの作品として昇華されました。
子供という1人の人間を介して、大人がいかに自分の人間性について向き合うべきかという作品かと思います。
私自身も2人の子の父として日々、自分と向き合い、子供と向き合っています。
子を持つ持たない関係なく、人間が他者と向き合う上で、失敗とどう向き合うべきか。
ヴォイテクを演じながら考えさせられます。
この問いを皆様と共有し、豊かな時間になるよう残り13公演生きていきたいと思います。
津田真澄 コメント
初日の幕が開きました。
沢山の人に支えられて今日があることを感謝しています。
決して明るくはない物語なのに笑いの絶えない稽古場でした。
アニャ役2人のおかげです。
まだ幼いのに責任もってお芝居してる姿にその瞳に、しっかりせねばと自分に鞭打つ毎日です。
私たち7話の家族の、大きな苦悩と小さな前進がお客様の心に残りますよう、最後まで大切に演じていきます。
プログラムD「デカローグ8 ある過去に関する物語」
高田聖子 コメント
ものすごいスピードで稽古が進み、振り落とされないようにと肩に力が入りっぱなしだったのですが、舞台から見える漆黒の闇を前にすると、そんな力みも無意味だと思いました。ゾフィアの台詞にもあるように、その先には空虚ってものだけしかなくて、もしそうだったら…でももしかしたら…(孤独だけじゃない、何かが始まる)と実感しています。 舞台上には共に力んできた仲間がいて、漆黒にみえる客席には、心は前のめりのお客様がいる。 私達は全然孤独じゃありませんね、是非劇場でお会いしましょう。
岡本玲 コメント
いよいよ開幕です。
劇場での通し稽古を経て、あらためてデカローグ7と8を続けて観劇する面白さを感じています。
人物は違いますが、どちらも6歳の少女が登場します。
手放してしまったあの手と、再会しつながったあの手。罪、告白、救済、偽証、信仰...。
デカローグ8は他に比べ堅苦しい言葉が多い作品ですが、だからこそ奥に隠れている生身の「何か」を届けられるよう、最後まで作品に、目の前の人間たちに向き合いたいと思います。
劇場でお待ちしています。
大滝寛 コメント
ついに最終章の幕が開きました。既に世に出た愛しい住人たちの列に加わることができました。舞台に立てた喜びもひとしおです。冷たい孤独感の中に体温や息づかいを感じる舞台です。キェシロフスキの世界を、説明しきれない割り切れない時間を、体中で感じたいと思います。今日まで様々なインスピレーションを与えて下さった共演者やスタッフの皆さんと全力で舞台を立ち上げます。美しく悲しく滑稽で不器用な住人たちに会いに来て下さい。
プログラムE「デカローグ9 ある孤独に関する物語」
伊達暁 コメント
「デカローグ」合同制作発表は冬の寒さの残る3月でした。Eプロはまだ先だなんてのんびり構えていたのが、あっという間に季節は初夏を過ぎ、いよいよ最終話の初日を迎えることになりました。基本的な美術セットは各話共通だったので、9話の外科医ロマンもこの団地で暮らしているのか、などと先行プログラムを客席から観ておりました。この長い旅にこれまで関わってきた全てのキャスト、スタッフ、お客様への感謝と共に、粛々とゴールテープを目指します。
万里紗 コメント
無事の開幕、関わった皆様やお客様に感謝いたします。稽古の中で印象に残ったのは、「人間は臆病だから」という絵梨子さんの言葉。一番大切な人に本心を伝えると言うのは、どうしてこうも難しいのでしょうか。孤独を知るすべての人の心に、この作品が蝋燭のような光を灯せたら、と願いつつ千穐楽まで励んで参ります。劇場でお待ちしております。
宮崎秋人 コメント
無事に幕が上がったことに感謝です。初めて小川絵梨子さんとご一緒させていただいてるのですが、もっと稽古していたいと思う稽古期間でした。毎日の稽古がとても充実していて、小川さんや共演者の皆さんからもっと吸収したいと夢中になる日々でした。きっと本番期間はより一層夢中になってしまうと思います。デカローグの魅力は底知れないとやればやるだけ感じます。これからの俳優人生において間違いなく大きな点が打たれた瞬間だと感じてます。最後まで真摯に向き合います。
プログラムE「デカローグ10 ある希望に関する物語」
竪山隼太 コメント
デカローグ プログラムE、初日が開きました。キェシロフスキさんが人を見つめ続けた作品群であるデカローグ。そのカバー範囲の広さに心躍り、演じる上で時に悩みながらも、約1ヶ月、心の底から尊敬できる小川さんと共演者の皆様とスタッフの皆様と共に、濃密で豊かな愛おしい稽古を重ねてきました。10話は最高にパンク!!! 14回アルトゥルとしてこのライブを楽しみます!!! ぶち上がりたい方はぜひ劇場まで!!!
石母田史朗 コメント
とても刺激的な稽古場で過ごした仲間たちとの時間を信じて、千穐楽まで精一杯生きたいと思います。関わった全ての人に感謝しかありません。
是非多くの方々に目撃していただきたい物語です。劇場でお待ちしております!
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デカローグ5~10
~2024年7月15日(月・祝)東京都 新国立劇場 小劇場
プログラムD(デカローグ7、デカローグ8)
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クシシュトフ・キェシロフスキの映画作品
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#吉田美月喜 ら出演者11名よりコメント到着
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