栗栖直也による3DCG短編アニメ「後朝の花雪」公開、下級貴族の恋模様を怪談として描く

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3DCG短編アニメーション「後朝の花雪」が、インターフィルム配給のもと10月17日より東京のシネ・リーブル池袋、大阪・テアトル梅田、京都・アップリンク京都ほか全国で順次公開される。

「後朝の花雪」ポスタービジュアル

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「後朝の花雪」場面カット

「後朝の花雪」場面カット[拡大]

「後朝の花雪」場面カット

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本作は、3DCGアニメ「ねむれ思い子、空のしとねに」で知られる栗栖直也が約9年ぶりに発表したもの。舞台は1000年前の京都、かつて捨てた女の家をふと尋ねた時正は、その館の中で朽ちずに残っている女の骸と、あたりを漂う不気味な光を目撃する。自分を恨んで死んだ女の祟りを恐れ、時正は陰陽師・賀茂忠行のもとを訪れるのだった。声のキャストに木島隆一石黒千尋武虎、福島おりねが名を連ねる。

栗栖は「古典文学の中でも庶民が多く登場する『今昔物語』の一編を脚色し、下級貴族の恋模様を怪談という形で描いた本作が、また平安時代の違った一面を皆様に感じていただける機会になれば本当に嬉しいです」とコメントした。そのほかアニメ「名探偵コナン」の初代プロデューサーとして知られる諏訪道彦のコメントも掲載した。なお「後朝の花雪」と同時上映という形で、「ねむれ思い子 空のしとねに」デジタルリマスター版がスクリーンにかけられる。

3DCG短編アニメーション「後朝の花雪」予告編

諏訪道彦(アニメプロデューサー)コメント

訳あって女を捨てた男の行く末と、捨てられた女の純粋すぎる心。
そうなんだ、そのどちらも今の時代に見ないものなんだ。
ダークに見えてまさにピュアな現代の御伽草子。
作画や音響はその時代を微に入り細に入り映し取っていて見事。
その上で見るものに伝えたいエネルギーをかぶせてる。
大切にしたい作品ですね。

栗栖直也 コメント

おそらく学校で習うこともあるのでしょう、一般に平安時代と言えば「源氏物語」に代表される王朝文学を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろん源氏物語が素晴らしい作品であることに異論はありませんが、庶民から徴収した税で安穏と生活しつつ、女性を口説く事ばかりに執心する上流貴族達の日々が、当時の代表的イメージであることに常々違和感も感じておりました。
そんな思いもあり、私の初作品「文使」では白拍子と牛飼童という「貴族でない男女」の恋を奇譚として描き、ありがたいことに多くの方に楽しんでいただけました。
その後はもう一つの私の柱であるSF作品(「ねむれ思い子 空のしとねに」)を形にしたのですが、その制作中もずっと「次はまた時代物を作りたいな」という思いが強く、今回初作品から二十年ぶりの平安短編「後朝の花雪」という形で結実いたしました。
古典文学の中でも庶民が多く登場する「今昔物語」の一編を脚色し、下級貴族の恋模様を怪談という形で描いた本作が、また平安時代の違った一面を皆様に感じていただける機会になれば本当に嬉しいです。

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©Hand to Mouse.栗栖直也

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