第75回ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞を受賞した
オスロを舞台に、心の奥底にある欲望に気付いた人々がウィットに富んだ会話を繰り広げる3作。「DREAMS」では、女性教師に恋をした17歳の少女ヨハンネの手記を、祖母や母が目にしたことから物語が展開していく。
YouTubeで公開された映像には、ヨハンネが学校に赴任してきた教師ヨハンナと出会うシーンが収められている。自己紹介するヨハンネに「私の名前と1文字違いね」と笑顔で声をかけるヨハンナ。その後「最初はこの感情が何なのかわからなかった。彼女の存在が全身に染みわたる気がした」というヨハンネのモノローグが続き、恋の始まりを予感させる内容となっている。
ハウゲルードは「本作では初恋とともに“性の目覚め”を描いています。3作品とも違った視点にしたかったのですが、『DREAMS』では大人とは異なる10代のセクシャリティを描きたいと思ったんです」と振り返る。自身の初恋のことははっきりと覚えているそうで「温かい感覚にすっかり浸りきって、胸が高鳴る生き生きとした記憶があります。でも同時に、あれこれ考えすぎてしまうこと、不安や拒絶されるかもしれないという恐れもありました。あのときは、相手のあらゆるしぐさや言葉を何度も分析しては、頭の中でそれを恋愛物語に仕立て上げていたものです」と当時を回想。また「私はとても早い時期から日記を書き始めていました。そして最初の恋の瞬間は、はかないものでした。まるで風船を膨らませてはじけるように。そのロマンスが現実になった途端、すぐに終わりを迎えてしまったんです」と思い返した。
ヨハンネのボイスオーバーを多用している本作。ハウゲルードはその理由を「彼女が考えることや行うことすべてが完全に主観的だからです」と語り、「映画の前半で観客が目にするものは、すべて彼女の頭の中で起きていることなんです。観客も、彼女が求めるように、その認識に完全に入り込まなければなりません。ある時点で彼女は物語の進行を止めさえします。彼女が完全にコントロールしているんです。少なくとも、ある程度までは」と言及する。そして、ヨハンネがグリーンのマフラーや洋服を着用していることに触れ「グリーンには(日本でいう青春をイメージする「ブルー」のように)若さの象徴という意味も込めました。また個人的にグリーンは大胆で個性的な色だと感じていて、ヨハンネの性格にもぴったりだと思い、彼女の色にしたんです」と意図を明かした。
ビターズ・エンドが配給する「オスロ、3つの愛の風景」は東京のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次ロードショー。
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17歳の少女が女性教師に恋、ダーグ・ヨハン・ハウゲルードが映画「DREAMS」を語る
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