映画研究者 / 批評家の北村匡平、映画文筆家の児玉美月による共著「彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家」が、明日12月26日に発売される。
本書は「“映画監督には、男性しかいないとされていた時代”は本当の意味で過去となりえているのか?」という問題提起から出発。日本映画における女性作家の功績を取り上げ、歴史的な視座を交えながら系譜をたどり、彼女たちのまなざしから日本映画の過去・現在・未来を捉え直していく。同書内で取り上げる主な作家は、
「彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家」は356ページで構成されており、税込価格は2640円だ。目次は以下の通り。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
「彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家」目次
序論 児玉美月
第1章 日本映画における女性監督の歴史 北村匡平
1 女性監督のパイオニア/2 胎動期──1950~1980年代 / 3 黎明期──1990年代 / 4 ニューウェーヴ──2000年代 / 5 黄金期──2010年代以降
第2章 16人の作家が照らす映画の現在地 北村匡平+児玉美月
1 西川美和論──虚実、あるいは人間の多面性
2 荻上直子論──「癒し系」に「波紋」を起こすまで
3 タナダユキ論──重力に抗う軽やかさ
4 河瀬直美論──喪失と再生を描く私映画
5 三島有紀子論──陰翳の閉塞空間とスクリーン
6 山田尚子論──彼女たちの空気感と日常性
7 瀬田なつき論──どこにもない「時間」を生きる
8 蜷川実花論──恋と革命に捧げられた虚構の色彩
9 山戸結希論──すべての「女の子」たちへ
10 中川奈月論──世界の崩壊/解放と階段のサスペンス
11 大九明子論──意外と「だいじょうぶ」な女たち
12 小森はるか論──記録運動としての積層と霊媒
13 清原惟論──マルチバースで交感する女性身体
14 風間志織論──日常の細部を照らし出すフィルム
15 浜野佐知論──男根的要請とフェミニズム的欲望の闘争
16 田中絹代論──欲望する身体とセクシュアリティ
第3章 次世代の作家たち 児玉美月
「映画」が孕む暴力性への自覚 / 日本の社会問題と向き合う / 独自の作家性を貫く / 学園映画の異性愛規範に抗する / オルタナティヴな関係性を模索する / 新たな属性を可視化させる / まだ見ぬ未来へのシスターフッド
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北村匡平と児玉美月による共著発売、女性作家の功績を取り上げ日本映画を捉え直す https://t.co/TlCGlvWct0
『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』フィルムアート社