アジアのコンテンツビジネスの祭典「2023 TCCF クリエイティブコンテンツフェスタ(Taiwan Creative Content Fest)」の開幕式が11月7日に台湾・台北で開催された。
コンテンツビジネスの祭典TCCFとは?
台湾・文化部(日本の文科省に類似)によって創設された台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA)が主催する同企画は、世界のコンテンツ産業のための展覧会と見本市。映画、ドラマ、アニメーション、コミック、ゲームなど幅広いジャンルの作品や企画を世界20カ国以上から集まったコンテンツ業界のプロフェッショナルに紹介し、交流や商談が行われる。
深田晃司の作品もPITCHINGに参加
4年目を迎えた今回も、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、CJ ENMといった企業、世界で活躍するクリエイターが台北に集結。台湾時間朝10時頃から実施された開幕式にも、多くの来場者が集まり会場は熱気に包まれた。年々進化を続ける本イベントだが、今年の主な企画はPITCHING、MARKET、INNOVATIONSの3つ。PITCHINGでは参加者が企画をプレゼンし、国内外の出資者から支援を募ることが可能となっている。TAICCAの会長ツァイ・ジャジュン(蔡嘉駿)は「コロナ禍が過ぎ、これまで以上に大きな規模でTCCFを開催できることをとてもうれしく思います。今回のPITCHINGでは初めて世界中から企画を募集しました。また国内外の組織などにより29個の賞を設けています」と紹介した。
実際に今回は、世界29の国と地域から539の企画の応募があり、その中から選ばれた作品がPITCHINGで紹介される。各賞に選ばれた企画は11月10日に行われる授賞式で発表に。賞金は全体で500万台湾ドル、日本円でおよそ2300万ほどとなっており、ツァイ・ジャジュンは「クリエイターの後押しができると思います」と笑顔を見せる。PITCHINGの主要な部門は映像化に期待のかかる映画やドラマの企画を紹介する「Project to Screen」と、台湾の小説やマンガ、ゲームなど優れたストーリー性を持つ作品を紹介し、映像化の可能性を探る「Story to Screen」の2つ。「Project to Screen」には、「淵に立つ」などで知られる
また「MARKET」には、台湾、日本、韓国、フランスなどのテレビ局や制作会社が参加し、さまざまなコンテンツを展示。来場者とコミュニケーションを取り、コラボレーションや今後のビジネスの可能性を探っていく。また一般入場も可能なINNOVATIONSには台湾だけでなく、海外から革新的な文化コンテンツが集結。今年の東京国際映画祭で上映された「Old Fox」(原題「老狐狸」)のコーナーも用意された。1989年を舞台とした同作では当時の台北の町並みを再現するためバーチャルプロダクションが使用されており、その舞台裏を垣間見ることができる。
アリエル・リンらが自身の経験を共有
なお本イベントではそのほか世界的なクリエイターやコンテンツ業界のプロフェッショナルが登壇するINDUSTRY STAGEを実施。韓国BLドラマ「セマンティックエラー」の監督
もちろん日本からも参加者がおり、初日の11月7日に行われた「Global Media-Mix with Technology」にはKADOKAWAの代表取締役・夏野剛が登壇。また「Introducing PWK」にはゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズなどを手がけたことで知られるJP GAMESの代表取締役・田畑端、チーフデベロップメントオフィサー・岩田亮、チーフテクニカルオフィサー・今村哲矢が出席し、同社が手がけるRPGの技術でメタバースコンテンツを制作できるミドルウェア「PEGASUS WORLD KIT」を紹介したほか、客席からの質問に答えた。
「2023 TCCF クリエイティブコンテンツフェスタ(Taiwan Creative Content Fest)」は11月12日まで開催。映画ナタリーでは台湾現地にてTCCFを取材し、追ってイベントの様子などを掲載する。現在YouTubeでは本イベントのトレイラーが公開中だ。
「2023 TCCF クリエイティブコンテンツフェスタ(Taiwan Creative Content Fest)」トレイラー
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台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA) @TAICCA_Japan
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