映画「私の大嫌いな弟へ」の姉弟は狩人と獣のよう、メルヴィル・プポーのインタビュー

映画「私の大嫌いな弟へ ブラザー＆シスター」より、メルヴィル・プポーのメッセージ動画とインタビューコメントが到着した。

アルノー・デプレシャンが監督を務めた本作は、両親の事故によって再会した、不仲な姉弟を描く物語。有名な舞台女優で演出家の夫との間に息子がいる姉アリスに「アネット」のマリオン・コティヤールが扮した。

詩人であり山中で妻と暮らす弟ルイを演じたプポーは「（本作での）姉弟の戦いは、まるでシェイクスピアの舞台みたいだ。僕から見ればこの映画は、カウボーイ映画にすごく近い。シェリフと悪いやつが互いを探し合い決闘する。2人が遭遇するシーンはまるで狩人と獣のようでもある。さあ、どっちが勝つか。この映画はそんな感じだ」と表現し、「そこには憎しみがあるけれど、観客はその中にたくさんの愛と、憎しみが始まる前の状態に戻りたいという強い欲求を見つけると思う。この映画の特徴は、結末がより開かれているということだ。僕は最初から、アルノーがこの映画をもっと光が見える結末、愛と幸せのある結末に持っていこうとしているんだと感じていたよ」と語る。

本作で初共演となったコティヤールについてプポーは「彼女と共演できたのはとてもラッキーだった。彼女は並外れて素晴らしい女優だ。今まで出会った中で最高の女優の1人だよ」と絶賛。そして「マリオンとのシーンはとても激しくて、かなり短い。長いダイアローグや説明はなくて、例えば彼女が『ごめん』、僕が『いいのさ』と言って終わる。だから、2人の関係の激しさは言葉よりもまなざしに宿るんだ。僕がこれらのシーンを切り抜けられたのは、マリオンの天才的な才能のおかげだと言いたいよ」と続けた。

監督のデプレシャンとタッグを組むのは「クリスマス・ストーリー」以来となるプポー。「『クリスマス・ストーリー』よりもずっと大きい役だったから、とてもワクワクした。大変な仕事になるだろうとは思ったよ。なんと言ってもアルノー・デプレシャンはとても要求が高くて、ハードワーカーで、俳優と一緒にいろんなことを試すのが大好きな人だからね」と話し、「アルノーはまず自分がすべての役を演じてみせるんだが、マリオンが僕に言う『大っ嫌い』というセリフを、彼は満面の笑みで言ったんだ。まるで大嫌いなことがうれしいかのように。こんな矛盾を演じるのは容易なことじゃない。彼はたくさんの矛盾、いろんなレイヤーの感情を感じている。だからたった1行のセリフでも、普通に読めば“OK、何の変哲もないセリフだ”と思うけど、彼と一緒に演技をすると、そのセリフの裏にたくさんの意味、たくさんのニュアンスがあることがわかる」と述べる。また「彼は演技が大好きで、とても熱心なんだ。だから役者はセットに入ったら自分の持てるすべてを捧げなくちゃいけない」と言及した。

「私の大嫌いな弟へ ブラザー＆シスター」は、9月15日より東京のBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次公開。

映画「私の大嫌いな弟へ ブラザー＆シスター」メルヴィル・プポーのメッセージ動画

映画「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」日本版予告編