吉田喜重の追悼特集がシネマヴェーラで、岡田茉莉子ら登壇のトークも実施

2022年12月に死去した映画監督・吉田喜重の上映企画「追悼特集 来るべき吉田喜重」が、明日6月17日から7月7日まで東京・シネマヴェーラ渋谷で行われる。

吉田は松竹に入社後、木下惠介などの助監督を経て1960年に「ろくでなし」で監督デビュー。1966年に妻である女優・岡田茉莉子と現代映画社を設立する。「美の美」などテレビドキュメンタリー番組を多く制作し、1986年に「人間の約束」で映画界に復帰した。2008年にフランス・パリのポンピドゥーセンターで回顧上映が行われるなど国際的評価も高い。

本特集では、津川雅彦を主演に迎えたデビュー作「ろくでなし」や、主演・三國連太郎、音楽・細野晴臣による社会派ドラマ「人間の約束」に加え、第41回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた「嵐が丘」、「日本近代批判三部作」と呼ばれる「エロス＋虐殺」「煉獄エロイカ」「戒厳令」など全22本が上映される。吉田自ら半生を振り返るほか、岡田、蓮實重彦、青山真治らが吉田映画の神髄を語る「映画監督とは何か」などの映像作品もラインナップに並んだ。

期間中にはトークイベントの実施が決定。6月17日に岡田、24日に岡田と「鏡の女たち」の撮影監督・中堀正夫、7月2日に岡田と蓮實が登壇する予定だ。

追悼特集 来るべき吉田喜重

2023年6月17日（土）～7月7日（金）東京都 シネマヴェーラ渋谷

トークイベント

6月17日（土）14:25「秋津温泉」上映後
ゲスト：岡田茉莉子
聞き手：舩橋淳

6月24日（土）13:20「鏡の女たち」上映後
ゲスト：岡田茉莉子 / 中堀正夫（「鏡の女たち」撮影）
聞き手：樋口尚文

7月2日（日）14:20「さらば夏の光」上映後
ゲスト：岡田茉莉子、蓮實重彦（予定）

※トークイベント回の料金は1700円均一（ポイント鑑賞不可）

上映作品

「ろくでなし（1960年）」
「甘い夜の果て」
「秋津温泉」
「嵐を呼ぶ十八人」
「人間の約束」
「嵐が丘（1988年）」
「血は渇いてる」
「水で書かれた物語」
「女のみづうみ」
「炎と女」
「告白的女優論」
「戒厳令（1973年）」
「鏡の女たち」
「日本脱出」
「情炎（1967年）」
「樹氷のよろめき」
「さらば夏の光」
「エロス＋虐殺」
「煉獄エロイカ」
「夢のシネマ 東京の夢 明治の日本を映像に記録したエトランジェ ガブリエル・ヴェール」
「知の開放 知の冒険 知の祝祭 東京大学 学問の過去・現在・未来」
「映画監督とは何か」