「かがみの孤城」芦田愛菜にとって“神様みたいな存在”の原作者・辻村深月が映画絶賛

劇場アニメ「かがみの孤城」の公開前夜祭舞台挨拶が東京・丸の内ピカデリーで12月22日に開催され、こころ役の當真あみ、オオカミさま役の芦田愛菜、喜多嶋先生役の宮崎あおい、監督の原恵一、原作者の辻村深月が登壇した。

辻村の小説を映像化した本作では、鏡の中にある不思議な城を舞台に、似た境遇の中学生たち7人がなんでも願いが叶うという秘密の“鍵”を探すさまが描かれる。

原作および辻村作品の大ファンだという芦田は「映画のお話をいただくずっと前に対談させてもらう機会があり、もし『かがみの孤城』が映像化されて、芦田さんが何かを演じるなら『オオカミさまがいいな』とおっしゃってくださったんです。そのときは夢のようだと思っていました」と参加できたうれしさをあらわに。辻村から「感無量です。物語が動いていないときでも、私の書いたあの子たちが思った通りの姿で画面いっぱいに活躍していて、思い描いた通りの感情がありました」と感想が飛び出すと、芦田は「私にとって辻村先生は神様みたいな存在。辻村先生にそう言っていただけてうれしいです」と声を弾ませた。

また辻村は原と最初に挨拶した日を振り返って「『お任せください』と言われました。この映画には皆さんが過ごされているような現実の世界と、お城の中の空間という2つの世界が出てくるんですが、この世界にあそこまでの奥行を持たせることができたのは原さんだからこそ。こころたちと孤城を原さんにお任せしてよかった」と感謝を伝える。原は「當真さんのオールアップの瞬間に辻村さんも立ち会って、最後の瞬間を一緒に見てくれて。當真さんが素敵な涙を流していたんですが、僕はそれがうれしかったです」と述懐。「アニメはバラバラで収録するのであまりこういうことはないんですが、そのときスタジオの中に一体感ができたなと。辻村さんが来て、僕も熱が入っていき、當真さんがそれに応えて、みんなで登り詰めていくような珍しい瞬間でした」と噛み締めるように語った。

初めてアニメの主演声優を務めた當真。オーディションやアフレコ、そして舞台挨拶やテレビ出演など多くの体験を得た。1つひとつを振り返りながら「オーディションで決まったときは、自分でいいのかと不安があって。でもアフレコのとき辻村先生に『こころがお世話になりました』と言っていただけてうれしかったです」としみじみ。作中でこころを優しく見守るフリースクールの先生を演じた宮崎は、そんな當真に温かいまなざしを向けて「前のイベントで當真さんが初めて舞台挨拶に登壇したとおっしゃっていて、そこに立ち会えたのがうれしかったです。初めては1回しかないから。これから変化していくのを見ていきたいなと、（演じた）喜多嶋先生と同じ気持ちで當真さんを見ています」と伝えた。

「かがみの孤城」は本日12月23日より全国で上映中。

※宮崎あおいの崎は立つ崎（たつさき）が正式表記