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「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~」で知られるロージが、イラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯に暮らす市井の人々を、3年以上の歳月を掛けて撮影した本作。ロージは通訳を伴わずに1人で旅をし、侵略、圧政、テロリズムにより多くの人々が犠牲になった地域で残された者たちの声に耳を傾けた。
ロージは第71回ベルリン国際映画祭にて審査員を務め、銀熊賞を獲得した「偶然と想像」には「濱口の言葉は物質であり、音楽であり、素材なのです」との言葉を贈っている。そんな2人の対談は予定していた30分を大幅に超え、90分に及んだという。YouTubeではその一部を観ることができる。
濱口は「いったいどうやったらこんなものを映すことができるんだろうと。私自身もドキュメンタリーを撮った経験があるし、映画を作り続けている人間として、素直に驚かされました。私はイラクもシリアもレバノンもクルディスタンも知らないんですけど、国境地帯に自分が連れて行かれたような心持ちになりました」とその驚きを伝える。対するロージは「『比喩のない映画は映画ではない』と私は思っていて、映画やドキュメンタリーにおける“言語”を使うことを常に指針としています。この作品で挑戦したことは新たな映画言語を作り出すことです」と持論を語った。
「国境の夜想曲」は2月11日より東京のBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次ロードショー。
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ジャンフランコ・ロージの映画作品
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映画ナタリー @eiga_natalie
濱口竜介が「国境の夜想曲」を絶賛、監督ジャンフランコ・ロージとの対談で(動画あり)
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