映画「
日本、台湾、イラン、ハワイなど6都市を舞台とした本作では、刑務所上がりの元天才ホワイトハッカー・野原が、“金融市場の番人”であるAIをだまし、大金を手に入れようと画策するさまが描かれる。主演の
企画の初期段階では中国の元が日本の円を飲み込むといった、よりスケールの大きな構想だったという。阿部が出演を決めたのはクランクインの約4カ月前。撮影では台湾やイランのキャストが未確定のまま、阿部は相手役のいないシーンを演じることもあった。
そんな状況で長編デビューを果たした米倉に、藤井は「もし自分がこの企画でデビューしていたら、きっと無理だった。それくらい大変そうな企画ですよね」と声をかける。自身の商業デビュー作「オー!ファーザー」の制作時を振り返って「当初は右も左もわからず苦しんで、その後は一度自主映画に戻った」と明かす。
多くのメジャー作品を監督する今もインディーズの精神を忘れていないという藤井。「全スタッフが責任感を持って作品に向き合うことが真のインディーズ」「メジャー作品でも連帯感を持てる現場作りが必要」「自主映画のような熱量が、大作現場にも求められる時代になっている」と言及した。
一方で「現実問題としてインディーズでは食べていけない」「精神性ではインディーズでも、経済的にはメジャーの枠組みでやる必要がある」と現状の認識も語った藤井。自身の経験も踏まえ、「プロデュース力や宣伝との連携も、監督の重要な仕事」と米倉に伝えた。
自主映画からともに歩んできたスタッフと「キャンドルスティック」を制作し、「全員が“自分事”として作品に取り組めた」と自信をのぞかせる米倉。藤井は「『キャンドルスティック』が米倉監督の映画人生の始まりになる。賛否は必ずあるが、変化に負けず続けてほしい」とエールを贈った。
川村徹彦の小説を原作にした「キャンドルスティック」は、7月4日より東京・新宿バルト9ほか全国でロードショー。
映画「キャンドルスティック」予告編
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