ミニシアターを救え!、SAVE the CINEMA、ミニシアター・エイド基金、SAVE the CINEMA movementの合同報告会が7月18日に東京・アレイホールで行われた。
新型コロナウイルスの影響を受け、ミニシアターを救うためスタートしたSAVE the CINEMA。同時期にミニシアター・エイド基金も立ち上げられた。3カ月の活動を振り返るため、このたび合同報告会が開催される運びとなった。
SAVE the CINEMA呼びかけ人の1人である
署名活動の成果を報告したのは
ミニシアター・エイド基金の活動報告をしたのは
MotionGalleryの最高支援金額が7000万だったことに触れつつ深田は「総額3億3000万以上の支援が寄せられました。コレクターの数は2万9926人。これ以外にもTポイントを利用して支援してくださった方が900人以上います。結果的には3万人以上の方から支援をいただきました」と感謝を伝え、「103団体へ分配しています。最低でも250万の金額です」と報告。そして大高は「あくまでも短期的な取り組みで、バンドエイド的なもの。これからは政治に働きかけていかなければならないです」と力を込めて語る。
報告会中盤に登場したのは映画プロデューサーの雨無麻友子。SAVE the CINEMA movementの活動に関して彼女は「ミニシアターが誰かの心の拠りどころとして存続し、賑わってほしいとの思いから上村奈帆監督や、枝優花監督など若手制作者を中心に活動しています」と紹介し、「全国各地のミニシアターを紹介するため、マップを作成しています。またスタンプラリーや上映企画などのイベントを実施予定です。オンライン、オフラインともにミニシアターをもっと好きになってもらえるよう動いていければ」と話した。
活動報告が終了したところで「ミニシアターと映画界のこれから」をテーマにパネルディスカッションがスタート。
「文化庁と経済産業省と話をしてびっくりしたのが、まずミニシアターって何?というところから始まることです」と明かす舩橋は、「文化庁の人に、ミニシアターとお付き合いがないと言われてショッキングでした。映画祭は支援しているけれど、箱として助成されたことがなかった。『YouTubeに成果物を投稿したら助成しますよ』と言われましたが、アーティストの成果物の枠組みを強制しないでほしい。我々はミニシアターが毎日やっている業務、日々の積み重ねに対して補助してほしいと訴えました。結果として劇場の本質的な部分に補助が出ることになったのは、ポジティブに考えていいのではと思っています」と振り返る。「助成金は非常に使いづらい」と指摘するのは深田。「コロナ禍における助成金というのは避難所であるべきです。死んでしまうから逃げ込む場所。でも、一芸を見せたら入れてあげますよという状況です。彼らに悪意があるわけではなく、それが省庁の常識。その考えが非常識であるということを提示してこなかったことが大きな問題なんです」と続ける。そして「映画というのは文化であるという認識が伝わっていない。娯楽産業だと捉えられているんです。だから、日本映画の多様性をきちんと理解している専門的で公的な映画団体が必要です」と団体設立の重要性を訴えた。北条は「ミニシアターの弱点を洗い出してこれからの10年を考えていかなければいけない。そして長所を伸ばしていく。担当省庁と勉強会をして、長期的な支援のデザインをする。ミニシアターで働きたいという若い人を支えていく必要があります。新しい労働環境の構築が、僕にとってのフェーズ2ですね」と今後について語る。
イベント終盤には記者から「大手の配給会社からの支援はあったのか?」と質問が飛ぶ場面も。井上は「100%ありませんでした」と笑い、「日本映画製作者連盟と一緒になってやろうとしたんですが、頓挫しました」と返答。諏訪は「メジャーの会社とも問題意識を共有しなければならない。業界はまとまっていかなければ」と、深田も「大手映画会社とコミュニケーションを取らなければいけない」と問題点を指摘した。
また一般の映画ファンより「映画ファンにできることはあるか?」という質問が寄せられると、北条は「今の状況で積極的に映画館に来てほしいというのは言いづらいです」と苦しい胸の内を明かす。それを受け、井上は「映画館に来てくださいと言えない、イベントも告知できない。映画館に行くという行為を忘れないでほしいと切に思っています」と言葉に力を込め、深田は「選挙で政権を変えてください。今より悪くなることはないです」と思いを口にした。
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渡辺真起子 @nabemaki
諏訪敦彦や深田晃司がコロナ禍の支援活動を報告、ミニシアターと映画業界の今後語る https://t.co/XVn0a5qb7q