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1980年代から2000年代の中国を舞台とする本作。一人っ子政策を背景に、ただ1人の息子シンを亡くした夫婦ヤオジュンとリーユン、そして彼らを取り巻く人々の壮大な人間ドラマが描かれる。「北京の自転車」「我らが愛にゆれる時」で知られるワン・シャオシュアイ。本作の構想を練り始めた頃、1970年代後半から2015年まで施行された一人っ子政策が廃止となり「1つの時代が終わった」と感じたという。「新しい中国の未来は、はっきりしていません。しかし、あのとき私は感じたのです。中国人たちが経験した、あのような時代、転換期を記録しなければならないと」と作品に込めた思いを明かす。
本作では夫ヤオジュンを「薄氷の殺人」の
劇中では「蛍の光」として知られる、スコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」の中国語訳「友誼地久天長」が象徴的に使われる。“友情は永遠に続く”という意味を持つ「友誼地久天長」について、ワン・シャオシュアイは「中国では何年にもわたり政治的な制約もなく親しまれてきました」と説明。「友情と思い出、人間共通の美しい感情を表現したこの歌は、遠い昔に中国に紹介されてから、あらゆる年代で歌われ、聴かれてきました。どの時代に、どんな政治的変化があっても、この歌はいつも人々と共にあったのです」と特別な曲であることを伝える。
そして最後に日本の観客へ向けて「本作では山々や川辺など中国の美しい景色もご覧いただけますが、本当に観ていただきたいのは、閉ざされた扉の向こうの人々の暮らしや人生です。彼らの人生、運命、感情に影響を与えたのは一体どのようなものであったか、理解していただけることを願っています」と呼びかけた。
「在りし日の歌」は4月3日より東京・角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。
三輪 @lxh_miwa
「在りし日の歌」独りっ子政策とは...で選んだら3時間越えの大作でした。当時の中国の間取りや背景がずっと楽しい。丁寧な演技や美術で隅々まで楽しめるけど体力がなくて3日に分けて観賞。1980年~2010年代の夫婦の30年間のドラマ。
監督のインタビュー https://t.co/iGNLwr2X3t