「在りし日の歌」監督が語る、激動の中国生きる人々の「暮らしや人生を観てほしい」

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在りし日の歌」の監督を務めたワン・シャオシュアイのインタビューコメントが到着した。

「在りし日の歌」撮影現場のワン・シャオシュアイ(中央)。

「在りし日の歌」撮影現場のワン・シャオシュアイ(中央)。

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「在りし日の歌」

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「在りし日の歌」撮影現場のワン・シャオシュアイ(中央)。

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1980年代から2000年代の中国を舞台とする本作。一人っ子政策を背景に、ただ1人の息子シンを亡くした夫婦ヤオジュンとリーユン、そして彼らを取り巻く人々の壮大な人間ドラマが描かれる。「北京の自転車」「我らが愛にゆれる時」で知られるワン・シャオシュアイ。本作の構想を練り始めた頃、1970年代後半から2015年まで施行された一人っ子政策が廃止となり「1つの時代が終わった」と感じたという。「新しい中国の未来は、はっきりしていません。しかし、あのとき私は感じたのです。中国人たちが経験した、あのような時代、転換期を記録しなければならないと」と作品に込めた思いを明かす。

「在りし日の歌」

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本作では夫ヤオジュンを「薄氷の殺人」のワン・ジンチュン、妻リーユンを「黒衣の刺客」のヨン・メイが演じ、第69回ベルリン国際映画祭で最優秀男優賞と最優秀女優賞に輝いた。ワン・シャオシュアイは「中国には素晴らしい俳優がたくさんいますが、2人を選んだのは、私の頭の中にある伝統的で優しい心を持った中国人像にとても近かったからです」と起用理由に言及。2人が自分と同世代であることに触れ、「過剰な演技や技術ではなく、俳優が自身の人生から考えや感情、経験を持ち出すことができたのです。純粋に演技だけでここまでの自然なレベルに達することは難しかったと思います」と優れた演技の理由を分析した。

「在りし日の歌」

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劇中では「蛍の光」として知られる、スコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」の中国語訳「友誼地久天長」が象徴的に使われる。“友情は永遠に続く”という意味を持つ「友誼地久天長」について、ワン・シャオシュアイは「中国では何年にもわたり政治的な制約もなく親しまれてきました」と説明。「友情と思い出、人間共通の美しい感情を表現したこの歌は、遠い昔に中国に紹介されてから、あらゆる年代で歌われ、聴かれてきました。どの時代に、どんな政治的変化があっても、この歌はいつも人々と共にあったのです」と特別な曲であることを伝える。

ワン・シャオシュアイ

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そして最後に日本の観客へ向けて「本作では山々や川辺など中国の美しい景色もご覧いただけますが、本当に観ていただきたいのは、閉ざされた扉の向こうの人々の暮らしや人生です。彼らの人生、運命、感情に影響を与えたのは一体どのようなものであったか、理解していただけることを願っています」と呼びかけた。

「在りし日の歌」は4月3日より東京・角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。

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(c)Dongchun Films Production

読者の反応

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三輪 @lxh_miwa

「在りし日の歌」独りっ子政策とは...で選んだら3時間越えの大作でした。当時の中国の間取りや背景がずっと楽しい。丁寧な演技や美術で隅々まで楽しめるけど体力がなくて3日に分けて観賞。1980年~2010年代の夫婦の30年間のドラマ。
監督のインタビュー https://t.co/iGNLwr2X3t

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