2018年にカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「万引き家族」の音楽を担当したことでも知られ、1969年のデビューから今年で50年を迎えた細野。「WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」の
本作では、近年の活動にカメラが密着しており、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスで開催されたワールドツアーの模様も収録。
「NO SMOKING」というタイトルには、細野の感じた「世界中を旅して最も感じたことは、当然のことながらどこもNO SMOKINGだったということです」「NO SMOKINGの世界でSMOKERを自認するのは、ひょっとするとタバコをやめるよりも意志の強さが必要となります」といったことが由来となっている。このたび公開された特報には、細野がタバコをたしなむ姿や、バンドメンバーと交流する様子、仲間たちとコントに挑戦する場面、さらにロンドン公演の一部などが収められた。
「NO SMOKING」は東京のシネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国で順次公開。
細野晴臣 コメント
タイトルについて
世界中を旅して最も感じたことは、当然のことながらどこもNO SMOKINGだったということです。しかしそれは屋内のこと。外ではほぼ喫煙OK。意外と寛容なところがありました。紐育、倫敦では路上ポイ捨てが常識で、それに馴染めずに自分は携帯灰皿を持ち歩いたのです。それを見た土地の人から「礼儀正しいね、でも吸い殻を清掃する業者の仕事を奪う」ってなことを言われました。なるほどそういうこともあるのか。その携帯灰皿を紐育で紛失し、買い求めようとしたらどこにも売ってません。あれは日本独自のものらしい。仕方なく紙コップを持ち歩きました。日本の路上禁煙は珍しい例だそうです。香港はブロック毎に大きな灰皿が設置してあり、喫煙率が高そう。長旅でホテルに泊まれば、ぼくは1時間毎に外の喫煙所へ出ることになり、それはかなり苦痛なことです。部屋で吸えば高額な罰金を取られますから。世界が歩調を揃えているこの禁煙法には違和感を持ちつつも、逆らうことはできません。ですから人に迷惑がかからないことを念頭に、周囲を見渡しながら喫煙を心がけているわけです。喫煙所さえあれば一安心。こうしてNO SMOKINGの世界でSMOKERを自認するのは、ひょっとするとタバコをやめるよりも意志の強さが必要となります。煙を吐くだけで差別され、否応なく少数派の立場に立たされるのですから。「詭弁を言わずにやめたら?」と言われます。いやいや、20世紀の文化を支援してきた紫煙に、突然愛想をつかすわけにはいかないのです。
映画について
自分の映画が出来上がって上映されるとは夢のようですが、同時に悪夢だとも思えます。何故生きている間にこんなことになったのかといえば、今年になって50年も音楽生活を続けてきたせいでしょうか。このような映画を自分で作ることはできません。製作陣の熱意があってこそ実現したものであり、自分も観客のひとりとして見ることになります。しかし到底客観的な評価などできるはずもありません。どうか見た人が少しでも得ることがあるように、と祈るばかりです。
佐渡岳利 コメント
YMOに衝撃を受けた少年時代から仕事をご一緒させていただく今に至るまで、細野さんを「スゴい!」と思い続けてきました。私と同じ思いの方には、その再確認ができて、初めて細野さんに出会った方には我々と同じ思いになれる映画にしたいなと思います。カッコ良くて、カワいくて、音楽を心から大好きな細野さんに、是非会いにきてください。
関連記事
細野晴臣の映画作品
関連商品
リンク
- 「NO SMOKING」公式サイト
- 「NO SMOKING」特報
- 映画「NO SMOKING ノースモーキング」 (@hosono_movie50) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
みやしたゆきこ @fukubukuro
細野晴臣のドキュメンタリー「NO SMOKING」特報、YMOがロンドンで集結(動画あり / コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/2ORpltitke