「メアリーの総て」は、ゴシック小説の金字塔「フランケンシュタイン」を、18歳で執筆したイギリスの作家メアリー・シェリーの波乱に満ちた人生をつづった物語。本作をイメージしたヒグチのイラストには、メアリーの姿が描かれている。
本作について、ヒグチは「あの怪物のかなしみは彼女自身のかなしみ。孤独も」と、アニメーション監督の
窪美澄(小説家) コメント
女性が自分の名前で本を出すということ。その自由を獲得するために何人のメアリーがいたのだろう。
自分だけの声(物語)を見つけたメアリーはどこまでも強く、美しい。
俵万智(歌人) コメント
創作は、あらゆる負の感情をプラスに変える魔法。
深すぎる絶望が、希望になる瞬間を見ました。
山崎ナオコーラ(作家) コメント
苦難が続いたあとの執筆シーンで、「あ、書けた」と声が出た。
出版交渉では「若い女性のテーマではない」と何度も断られるが、性別は関係ない、と突き進むメアリー。
出版は、革命だ。
幾原邦彦(アニメーション監督) コメント
これはゴシック革命だ。情熱にまかせるまま、進んでみる。愚かな恋と絶望から、それは生まれる。
あまねくアーティスト、クリエイター志望者は勇気を得るだろう。
柚木麻子(作家) コメント
怪物よりも百倍怖いのは、女の子の未来を食い潰す、偏見、差別、男の身勝手な欲望だとわかる。
どんなに傷つけられたとしても、「心の声」に耳を澄まして、バラバラになった身体をつなぎあわせよう。
柴田よしき(作家) コメント
この激しさ、強さ、美しさに圧倒された! 前作で、抑圧の下でもしなやかに成長する少女の姿を見せてくれた監督が、
今度は、最もおぞましくかつ切ない怪物を生み出した女性の、苛酷に真摯に人生に立ち向かう姿を描いた。
本作には作家としての芯を揺すぶられる
姫野カオルコ(小説家) コメント
これは“昔”の話ではない。“今”の話だ。頭ごなしに否定されて暮らす人たちが今も世界中にいる。
その一例としてのメアリーと、そして彼女の妹の物語は、現代の人間こそを惹きつける。
菊地秀行(作家) コメント
孤独と悲しみと絶望──
不幸が傑作を生むとは限らないが、「フランケンシュタイン」はそこから生まれた文学的傑作であった。
それを教えてくれるこの映画も同じだ。
皆川博子(作家) コメント
女性は、作者としての名さえ消されかねない時代。自由恋愛は男の身勝手な弁に過ぎない。
〈怪物〉は、メアリーの壮絶な孤独の結晶であった。画面の色調と構図の美にも惹かれた。
嶽本野ばら(作家) コメント
バイロンの警句より透徹で、シェリーの賛歌よりも気高き熱情よ! 真の革命は悉く女が成し遂げる。
メアリーが創造したものは怪物ではなく、新しい人間の魂だったのだ。
はらだ有彩(テキストレーター) コメント
怪物を生むことも、怪物に共感することも、とても苦しい。この物語はハッピーエンドではないのかもしれない。
だけど決して明るくはないものが、希望と理想になることもある。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター) コメント
200年前の保守的なイギリスで奔放に生き、18歳で文学の意欲作「フランケンシュタイン」を生んだメアリー、
エル・ファニングの静かに燃える演技に拍手!
ヒグチユウコ(画家) コメント
あの怪物のかなしみは彼女自身のかなしみ。孤独も。
黒色すみれ ゆか(ネオクラシックユニット) コメント
凶暴で怖いばかりの存在だと思っていたフランケンシュタインの怪物。
物語を生み出した18歳の少女は一人の恋人を愛し、愛されたかった、ごく普通の女の子。
怪物が泣くとき、彼女もまた裏切られ泣いていた。その姿が重なるとき、
この灰色の怪物に対してとてつもない温もりと親近感を覚えずにはいられない。
ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン / 美術家)
劇中エル・ファニングが自筆でフランケンシュタインを執筆するシーンがあるわ。
自筆で書く行為とはそこに「何ものか」を宿らせる儀式。ファニングとメアリーが本当に重なり合う名シーン!!!
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- 「メアリーの総て」公式サイト
- 「メアリーの総て」予告編
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この映画に、ベン・ハーディーが出演してるそうです。
可愛いお医者さん?
エル・ファニング演じる少女をヒグチユウコが描き下ろし、著名人のコメントも到着(ヒグチユウコ) - 映画ナタリー https://t.co/CXK4eu7xM8